2014 10.28 tue. - 10.29 wed.
GORDON GOODWIN'S BIG PHAT BAND
artist GORDON GOODWIN'S BIG PHAT BAND
原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO
最高のテクニックとエンタテインメント性を兼ね備えた凄腕集団、ゴードン・グッドウィン率いるビッグ・ファット・バンドが"日本のホームグラウンド"であるブルーノート東京に戻ってきてくれました。今回が通算7回目の登場。我が国のファンと彼らの相思相愛は強まるいっぽうです。
去る日曜日には浜松で演奏してきたばかりですが、ブルーノート東京でも初日ファースト・セットから圧倒的なプレイでファンを魅了します。バーニー・ドレセルはスネア・ドラムを客席に70度ぐらい向けた独特のセッティングで、レギュラー・グリップひとすじの超絶ドラミングを繰り広げます。これまで必ずといっていいほど参加していたエリック・マリエンサルの不在も、ケヴィン・ギャレン、サル・ロザーノ、ブライアン・スキャンロンらの充実したプレイが見事に補います。
曲はもちろんゴードンの書き下ろしが中心ですが、間にはビッグ・ファット・バンドにグラミー賞をもたらしたジョージ・ガーシュウィン作「Rhapsody In Blue」のカヴァーも取り上げられました。奇しくもこの曲、先日の「東京JAZZ」で、小曽根真のノー・ネーム・ホーシズが演奏したばかりです。"今、「Rhapsody In Blue」を題材にすることがトレンドなのかもしれない"と思いながら、ぼくはビッグ・ファット・バンドなりの解釈を大いに楽しみました。
いつも目の覚めるような吹奏を聴かせてくれるウェイン・バージェロンは、今回もトランペット・セクションを引き締めるとともに、驚嘆のブロウで会場を沸かせました。「Years Of Therapy」は、まさに彼の離れ業にスポットを当てた1曲。前半ではピッコロ・トランペット(ヴァルヴが4つある)を用いてすさまじいタンギングでバッハ風のメロディを演奏、その後4ビートになってからは通常のトランペットに持ち替えて、輝きに満ちたアドリブを展開します。そしてラストは、顔を真っ赤にしてのハイノート(超高音)。トランペットのすべてがこの曲にこめられていた、といっても過言ではないほどの大熱演でした。
メンバーすべてが、アメリカ西海岸音楽シーンの重鎮。たとえばギターのアンドリュー・シノウィックは「アナと雪の女王」のサウンド・トラックに参加、サル・ロザーノは「美女と野獣」のサウンド・トラックや、人気テレビ番組「アメリカン・アイドル」のバック・バンドでも演奏してきました。アメリカの強く、豊かで、華やかな一面をジャズにのせて送り届けるビッグ・ファット・バンドのパフォーマンスを、心ゆくまで味わってください。
(原田 2014 10.29)
2014 10.28 TUE.
1st | |
---|---|
1. | WHY WE CAN'T HAVE NICE THINGS |
2. | LIFE IN THE BUBBLE |
3. | RHAPSODY IN BLUE |
4. | GARAJE GATO |
5. | THE QUIET CORNER |
6. | YEARS OF THERAPY |
7. | SYNOLICKS |
8. | RACE TO THE BRIDGE |
EC. | THE JAZZ POLICE |
2nd | |
1. | SING, SANG, SUNG |
2. | COUNT BUBBA |
3. | LIFE IN THE BUBBLE |
4. | IT'S NOT POLITE TO POINT |
5. | HUNTING WABBITS |
6. | BACKROW POLITICS |
7. | CHEROKEE |
EC. | A FEW GOOD MEN |