2014 11.5 wed. - 11.8 sat.
DAVID SANBORN GROUP
artist DAVID SANBORN
原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO
"ワン・アンド・オンリー"という言葉が、これほどふさわしいアーティストも数少ないでしょう。デヴィッド・サンボーン、堂々の登場です。今回もあの、力強く鋭く美しい音色をクラブに充満させています。
バック・メンバーはリッキー・ピーターソン、ニック・モロック、リチャード・パターソン、ジーン・レイクという不動の面々。彼らがファンキーなイントロを奏でる中、ヴィンテージもののサックスを持ったサンボーンが登場します。
曲は「Comin' Home Baby」。1960年にベース奏者ベン・タッカーが作曲し、ハービー・マンやメル・トーメの演唱でヒットしたブルース調のナンバーです。サンボーンのアドリブは、まさに泉のよう。ポール・バターフィールド・ブルース・バンドへの参加やB.B.キングとの共演等で培ってきた"サンボーン流ブルース"の真骨頂に触れた思いです。続く「Brother Ray」は、レイ・チャールズに捧げた近年の代表的レパートリー。サンボーンは少年時代、レイのバンドでサックスを吹いていたハンク・クロフォードとデヴィッド・ニューマンに大きな影響を受けたそうです。"ホンカー"(R&B系のサックス奏者)のようにブロウするサンボーンに、会場のボルテージは上昇するいっぽうです。
続いてはフュージョン全盛期のナンバーが続きます。「Maputo」、「Camel Island」、「Chicago Song」、「Run For Cover」と書いていくだけで、懐かしい気分になる方もいらっしゃるでしょう。しかしそれぞれ、タイトルのラストに"2014"と付け加えたくなるほど、ファンキーでディープな演奏でした。サンボーンのアドリブ・フレーズは往年と確実に変化していますし(個人的にはビ・バップに近づいているように感じました)、リッキー・ピーターソンはオルガン、フルート、ヴィブラフォンなどさまざまな音色をキーボードから出して演奏に彩りを加えます。加えて彼はヴォーカル(スキャット)でも魅力を発揮しました。リッキーの歌声とサンボーンのサックスの絡みもまた、現サンボーン・バンドの魅力のひとつです。「Full House」は、CDよりもかなり速いテンポでプレイされました。ニック・モロックがリトル・リチャードの有名なロックンロール「Lucille」のメロディを引用すると、今度はサンボーンがJB'sの「Doing It To Death」のリフを吹きます。「あのおなじみの曲が、こんなふうに深化・発展していくのか」と、ぼくは目の覚めるような気分を味わいました。
公演は8日まで続きます。いったいどんな名曲を届けてくれるのか、楽しみです。
(原田 2014 10.6)
2014 11.5 WED.
1st | |
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1. | COMIN' HOME BABY |
2. | BROTHER RAY |
3. | MAPUTO |
4. | CAMEL ISLAND |
5. | LISA |
6. | RUN FOR COVER |
7. | CHICAGO SONG |
8. | FULL HOUSE |
EC. | THE DREAM |
2nd | |
1. | COMIN' HOME BABY |
2. | BROTHER RAY |
3. | MAPUTO |
4. | CAMEL ISLAND |
5. | LISA |
6. | CHICAGO SONG |
7. | RUN FOR COVER |
8. | FULL HOUSE |
EC. | THE DREAM |