2014 11.18 tue. - 11.19 wed.
AL JARREAU
artist AL JARREAU
原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO
ジャズ、ポップ、R&Bの3部門でグラミー賞に輝くスーパー・シンガー、アル・ジャロウが本当に久しぶりに「ブルーノート東京」に登場しました。客席はもちろん超満員。アルが初めて脚光を浴びた'70年代からずっと彼を応援しているファンも、多数いらしていたようです。
ジャコ・パストリアスの「Teen Town」のメロディをスキャットで歌った後、'83年の大ヒット曲「Mornin'」へ。ぼくはいわゆるフュージョン世代ではないのですが、それでも子供の頃、この曲がFMラジオからしょっちゅう流れていたことは覚えています。ファンの間からはごく自然に手拍子が巻き起こり、アルも笑顔いっぱいで歌いこなします。黒いハンチング、黒い上着とパンツ、黒いセーターと黒づくしなのですが、上着のポケットからは赤いハンカチがのぞき、ゴールドのペンダントが照明にあたって輝きます。「おしゃれだなあ」と思いながら、ゴージャスなパフォーマンスを味わいました。
「Double Face」はブラジルのキーボード奏者、デオダートとのコラボレーションが話題を呼んだ近年の代表曲。この日はラリー・ウィリアムスとジョー・トゥラーノのキーボード(偶然にも、ふたりはサックスの達人でもあります)を生かしたアレンジで聴かせてくれました。そして次は盟友のキーボード奏者ジョージ・デュークに捧げ、彼の人気曲「Brazilian Love Affair」を。最新作『My Old Friend: Celebrating George Duke』でも目玉になっていたナンバーですが、天国のジョージに届けといわんばかりの熱唱で場内を沸かせました。
「My Favorite Things」を、アルはかつて女性オペラ歌手のキャスリーン・バトルとレコーディングしたことがあります。このライヴでは、キャスリーンのパートをベース奏者クリス・ウォーカーが、カウンター・テナーの声域で担当しました。個人的にはオーネット・コールマンのバンドで演奏していた姿が印象深いのですが、本当にクリスのプレイ・スタイルの幅広さには驚かされるばかりです。アルもトレードマークのひとつである超絶スキャット、ヴォイス・パーカッションで観客を釘付けにします。いまでは数多くのシンガーが使っているテクニックですが、"元祖"が繰り出す技の数々はまた、格別です。
1977年の初来日からずっと、日本のファンとの相思相愛が続いているアル。心暖まるステージは本日も行なわれます。
(原田 2014 11.19)
2014 11.18 TUE.
1st & 2nd | |
---|---|
1. | TEEN TOWN |
2. | MORNIN' |
3. | BLACK AND BLUES |
4. | I WILL BE THERE FOR YOU |
5. | DOUBLE FACE |
6. | BRAZILIAN LOVE AFFAIR |
7. | MY FAVORITE THINGS |
8. | WE'RE IN THIS LOVE TOGETHER |
9. | BOOGIE DOWN |
EC1. | ROOF GARDEN |
EC2. | REACH OUT |