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BEBEL GILBERTO

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原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO

 先日までナタリー・コール、その少し前にはショーン・レノンと、サラブレッドの出演が相次いでいる「ブルーノート東京」。現在はベベウ・ジルベルトが待望の初登場公演を行なっています。あのジョアン・ジルベルトを父親に、ミウシャを母親に持つシンガー・ソングライターです。

 生まれはブラジルですが、もう20年以上も米国ニューヨークに住んでいます。その音楽はサンバ、ロック、ファンク、アシッド・ジャズ、フォーク等の要素を彼女なりにブレンドしたもの。身振り手振りたっぷりに、バンドスタンドの左右を動きながらの演唱は、どこかシアトリカルなものを感じさせます。

 曲目は5年ぶりの新作『Tudo』からのものが中心。歌詞はポルトガル語と英語が半々です。入魂のオリジナル・ソングのほかに、ルイス・ボンファの「Saudade Vem Correndo」、ニール・ヤングの「Harvest Moon」のカヴァーも聴かせてくれましたが、アレンジも含めて完全に"ベベウの曲"になっているところに、ぼくは彼女の大物ぶりを感じました。

 バック・メンバーは4人ですが、思いのほかたくさんの楽器の音が聴こえてくるのは、それぞれがマルチ・ミュージシャンだからです。マグラス・ボルジェスはドラム・セットと打楽器群を合体させた大がかりなセットの前に座り、右足でハイハットを踏みながら多彩なビートを生み出します。ジョン・ロジーは2台のシンセサイザーを使い、「アコースティック・ピアノとストリングスの共演」的な効果も軽々と生み出します。マサ・シミズはアコースティック・ギターとエレクトリック・ベースを自在に持ち替え、ジョルジ・コンティネンティーノはフルート、木製の横笛、バリトン・サックス、アコースティック・ギターを鳴らし切ります。「次の曲で彼らは、どんな楽器の組み合わせを届けてくれるのだろう」と、ぼくはわくわくしながらステージを楽しみました。約100分、フレンドリーなMCを交えながら歌いきったベベウ。公演は30日まで続きます。

(原田 2014 11.29)

SET LIST

2014 11.28 FRI.
1st
1. SUN IS SHINING
2. SAUDADE VEM CORRENDO
3. MOMENT
4. NADA NÃO
5. CADA BEIJO
6. TUDO
7. AREIA
8. SOMEWHERE ELSE
9. AUGUST DAY SONG
10. HARVEST MOOM
11. SIMPLESMENTE
12. SO NICE
13. TOUT EST BLEU
14. SEM CONTENCÃO
15. BABY
EC. SAMBA DA BENCÃO
 
2nd
1. SUN IS SHINING
2. SAUDADE VEM CORRENDO
3. MOMENT
4. NADA NÃO
5. CADA BEIJO
6. TUDO
7. AREIA
8. SOMEWHERE ELSE
9. AUGUST DAY SONG
10. HARVEST MOOM
11. SIMPLESMENTE
12. SO NICE
13. TOUT EST BLEU
14. CLOSE YOUR EYES
15. SEM CONTENCÃO
EC. SAMBA DA BENCÃO

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