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LARRY CARLTON & STEVE LUKATHER / JAPAN TOUR 2015

artist LARRY CARLTON

REPORT

原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO


黄金のギター・サミットが、奇跡的に復活しました。

ラリー・カールトンとスティーヴ・ルカサーの共演です。彼らが前回、揃って来日したのは1998年のこと。ギター・ファン、フュージョン・ファン、ロック・ファンを巻き込んでの大騒ぎになったことを覚えていますが、ぼくは予約をとりそびれ、とうとう見られずに残念な思いをしました。それだけに今回、リベンジが叶ったような気分です。場内はもちろん、納得の超満員。誰もがふたりの指先を凝視し、熱いソロが終わるごとに盛大な拍手と声援をおくります。

オープニングは98年時のレパートリーでもあった「The Pump」。音色、タッチ、フォーム、表情・・・ふたりとも大変な個性派だけに、いやがおうにもコントラストが際立ちます。ですがルカサーにとってカールトンは「先生」的存在でもあり、少年時代には彼の参加したレコードを片っ端からコピーしたこともあるそうです。セミアコ・ギターで歌心たっぷりのフレーズをまき散らすカールトン、アーミングも用いながらソリッド・ギターを縦横無尽にあやつるルカサーが、肩を寄せながら掛け合いをします。「マイルスの曲をやろうか」というルカサーのひとことから始まったのは、「TUTU」。マイルス・デイヴィスのミュート・トランペットの音色が強くこびりついているリスナーも多いことでしょうが、この曲をふたりは、まずイントロ部分をルカサー(低音)、カールトン(高音)で奏で、その後に続く有名なテーマ・メロディ部分ではパートを入れ替えてプレイします。そしてアドリブ・パートはワン・コードから、いつのまにかマイナー(短調)のブルースになり、気が付くとメジャー(長調)のブルースになっているという三部構成。編曲の冴えにも目と耳を見張らされました。ルカサーはまた、「Crossroads」と「While My Guitar Gently Weeps」でヴォーカルも披露。後者では観客に「一緒に歌ってくれ」と促し、大合唱が繰り広げられました。

前回とはリズム・セクションを一新して行なわれる、ギター・ヒーローたちの語らい。ほぼ全公演がソールド・アウトとのことですが、日によっては若干残席があるそうです。17年ぶりの"饗宴"、ぜひ目撃を!
(原田 2015 1.30)

SET LIST

2015 1.30 FRI.
1st&2nd
1. THE PUMP
2. TUTU
3. LILY’S OF THE NILE
4. CROSSROADS
5. ONLY YESTERDAY
6. BEN E WAH
7. ROOM 335
EC. WHILE MY GUITAR GENTLY WEEPS

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