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DIANE SCHUUR @COTTON CLUB

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原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO


1984年、GRPレーベルから彗星のごとくアルバム・デビュー。安定した人気をキープし続ける弾き語りの大ベテラン、ダイアン・シューアが今年も元気な姿を見せています。公演は21日まで「コットンクラブ」、その後24日に「ブルーノート東京」で行なわれます。ぼくは「コットンクラブ」の初日セカンド・セットに足を運びました。

今回、彼女と共演するのは、トランペット奏者アヴィシャイ・コーエンとの共演やブラッド・メルドーとのデュオで知られるジョエル・フラーム(テナー・サックス)、ハリー・コニックJr.やウィントン・マルサリスのバンドにも所属したベン・ウォルフ(ベース)、ミンガス・ビッグ・バンドやオーパス5などでも活動するドナルド・エドワーズ(ドラムス)。いずれもニューヨークを拠点におく、グリニッチ・ヴィレッジあたりではこの3人だけで演奏してもかなりの集客が期待できる中堅どころです。ダイアンも彼らのプレイを大きくフィーチャーしながら、いつもよりもモダン・ジャズ色の強いプログラムで楽しませてくれました。

オープニングはジョージ・ガーシュウィン作「'S Wonderful」。サンバ風のリズムに乗せて、ダイアンのスキャットとジョエルのテナーが掛け合いを繰り返しながら、場内を盛り上げていきます。ドナルドのドラムスは右利き用のセッティングですが、右側にあるトップ・シンバルを左手で叩く独特のフォームを持っています。"明日、78歳を迎えるナンシー・ウィルソンに捧げます"という前置きで歌われたのは、実に渋めのナンバー「When Did You Leave Heaven?」(オリジナル・アーティストはR&B系のピアノ弾き語り名手、チャールズ・ブラウン)。こういう曲を引っ張り出し、サラッと聴かせるのもダイアンの良さです。

ジョン・コルトレーンの難曲「Giant Steps」がダイアンのピアノで聴けるとは思いませんでした。ジョエルも軽々とテナーを操り、ダイアンはさらにスキャットも聴かせます。この日、もうひとつ驚かされたのは、1940年代にマイルス・デイヴィスやファッツ・ナヴァロが演奏した「Move」もプレイされたことです。ダイアンは、タニア・マリアのようにピアノとスキャットのユニゾンを披露しました。

ラストはダニー(ダイアンは"ドーニー"と発音)・ハサウェイの名曲「Someday We'll All Be Free」。ダイアンは前半をじっくりと、そしてエンディングでは超高音によるすさまじいロング・トーンを出し、変わらぬ声域の広さを印象付けました。今回のダイアンはセットリストを用意せず、曲目をステージ上で決めています。いったいどんな曲が飛び出すか、思いっきり期待しながらライヴ会場に向かおうではありませんか!
(原田 2015 2.20)


●DIANE SCHUUR
2015 2.19 thu. - 2.21 sat. コットンクラブ
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2015 2.24 tue. ブルーノート東京
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Photo by Y.Yoneda

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