2015 5.16 sat. - 5.18 mon.
ROY HAYNES "90th Birthday Celebration"
artist JALEEL SHAW , ROY HAYNES
原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO
ジャズ界最年長ドラマー、ロイ・ヘインズが奇跡の再来日を果たしました。1925年3月13日生まれだそうですから、今年でちょうど90歳。記念すべきアニヴァーサリー・イヤーということで、場内は祝福ムードに包まれました。息子のグレアム・ヘインズ、孫のマーカス・ギルモアもジャズ・シーンになくてはならない存在ですが、重鎮ロイ・ヘインズの存在感は格別です。
オレンジのシャツ、細身のネクタイを身に着けたヘインズは、颯爽とした足取りでバンドスタンドにあがります。オープニング・ナンバーはセロニアス・モンクの「Trinkle Tinkle」。ヘインズは1950年代後半、モンクのバンドにいたことがあります(映画『真夏の夜のジャズ』のモンク登場シーンでドラムスを叩いているのが若き日のヘインズです)。当時から何度もこの曲を演奏していたのでしょう。続く「It's Easy To Remember」は、ジョン・コルトレーンのアルバム『バラード』でもおなじみのスタンダード・ナンバーですね。ヘインズは1960年代、何度もエルヴィン・ジョーンズにかわってコルトレーンのバンドで演奏しました。スタン・ゲッツのバンドでレギュラーを務めていたのでスケジュール調整が大変だったそうですが、コルトレーンは機会を見てはヘインズをライヴやレコーディングに誘いました。
ステージはさらに、パット・メセニーがシンガー・ソングライターのジェームズ・テイラーに捧げた「James」へと進みます。前半ではいささか体力を温存しているように見えなくもなかったヘインズのプレイも、このあたりから力強さを増し、ドラム・ソロにも熱がこもります。エンディングは再びモンクの「Bemsha Swing」。割れんばかりの拍手が、90歳の名ドラマーを包み込みました。
サイドメンはジャリール・ショウ(サックス)、マーティン・ベヘラーノ(ピアノ)、デヴィッド・ウォン(ベース)という不動の顔ぶれ。ジャリールは10年、デヴィッドは9年、マーティンは13年、バンドに在籍しているそうです。デヴィッドは「ジャズの歴史を体現する偉大な人物とプレイできて光栄だ」と語り、マーティンは「我々は80歳記念のときも、85歳記念のときも、90歳記念のときもロイと同じステージに立てた。100歳記念のときもぜひ一緒に演奏したい」と続けました。公演は月曜日まで、レジェンドの姿をぜひご覧あれ!
(原田 2015 5.16)
2015 5.16 SAT.
1st | |
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1. | TRINKLE TINKLE |
2. | IT'S EASY TO REMEMBER (AND SO HARD TO FORGET) |
3. | JAMES |
4. | INNER TRUST |
5. | BEMSHA SWING |
2nd | |
1. | QUESTION AND ANSWER |
2. | JAMES |
3. | EVERYTHING HAPPENS TO ME |
4. | GREEN CHIMNEYS |
5. | MONK'S DREAM |
6. | SUMMER NIGHT |