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OZOMATLI @Motion Blue yokohama

artist OZOMATLI

REPORT

祝、結成20周年。最高のライヴ・バンドであることを堂々示す。

 オゾマトリのような、心意気系のバンドの一挙一動を手に取るような距離で見られることに、まず感謝。ブルーノート東京公演に先立ち持たれたモーションブルー・ヨコハマ公演を見たのだが、真っすぐなアイツらは、どこだって、いつだって、もうサイコー。2度のグラミー受賞バンドでもある彼らの実演に触れると、まず最良のライヴ・バンドという感想しか頭に浮かんでこないもの!

 いろんなルーツを持つ奏者たちで結成された、LAの現況を照らし続ける、ストリート立脚のバンド。彼らはラテン、ロック、ファンク、ヒップホップ、レゲエ、ブラジルなどの要素を自在に鷲掴みにしているが、複数の楽器を持ち替える2人の管楽器奏者や、巧みなスティック裁きだけでなくラップもこなすパーカッション奏者の様をはじめ、一筋縄ではいかないオゾマトリの作法は目の当たりにすると興味深いことこのうえない。

 ステージに登場した6人は、長年一緒にやっている面々。現在はドラムを担当するジロー・ヤマグチ(親の赴任のため、米国生まれ、3年間日本に住んだことも)以外はヴォーカルを取るが、皆で肉声を重ね合っていく佇まいは訴求力にあふれる。前より歌モノ感覚が強まっているとも思わせるパフォーマンスは仲間同士で音楽を紡げる素晴らしさを望外に伝えるものであり、ひいてはリベラルさやポジティヴさをこれでもかと見る者に与える。ああ、なんと生理的に格好のいいバンドであることか。

 そんな彼らは、今年でバンド結成20周年。というわけで、今回の来日公演のハイライトは、その歩みを祝うかのように、「(フー・ディスカヴァード・)アメリカ」をはじめ、キャリアの要所を担う曲をメドレーでざくっと披露したこと。オゾマトリは、一日にしてならず。20年を5分に凝縮したその場面に触れて、なんか唯一無二のヴァイブを体内に山ほど吹き込まれ、耳やココロの洗濯が出来た心持ちも、ぼくは得た。

 オゾマトリの面々は、ショウの終盤には、送り手と受け手の垣根を取っ払う、わあああっという行動に出る。彼らのライヴ・パフォーマンスに過去接している人なら想像がつくだろうが、そのエンターテインメント精神と侠気に満ちた"規格外バンド"の姿が多くの人の目に触れんことを。


text : 佐藤英輔
出版社勤務を経て、フリーランスの物書きとなる。グルーヴと飛躍する感覚と酔狂さがある音楽が好み。ライヴを中心に扱ったブログはこちらから


●OZOMATLI
2015 5.23 sat. "Greenroom Festival '15" @横浜・赤レンガ地区野外特設会場
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2015 5.24 sun. - 5.25 mon. ブルーノート東京
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