2015 6.14 sun. - 15 mon., 19 fri. - 22 mon.
VANESSA WILLIAMS
artist VANESSA WILLIAMS
原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO
R&Bの躍動感、ブロードウェイ・ミュージカルのエレガンス、バラードのうるおい。
そのすべてが、彼女のステージにはあります。「ミス・アメリカ」に輝く美貌の歌姫、ヴァネッサ・ウィリアムスのショウです。彼女の姿をクラブ規模の会場で楽しめるのは、世界的にも希少なことです。4人のお子さんの母親とのことですが、スタイルの良さは相変わらず。歌声は一層輝かしく、1曲ごとに観客に語り掛けるように挿入されるMCも、オーディエンスとの距離を近いものにします。
キーボード奏者のリオ・コロンのMCに導かれ、青のドレスに身を包んだヴァネッサが登場します。ラテン調の「The Real Thing」、「Dreamin'」と快調なナンバーが続くのですが、バック・メンバーのプレイがまた、すごいのです。"ジャズを演奏しているわけではないのに、ジャズのスウィング感を妙に感じさせるなあ"と思ったら、ドラムスは重鎮JTルイスではないですか。ハービー・ハンコック、デヴィッド・マレイ、カサンドラ・ウィルソンなどを支えたオールラウンドな名手です。メトロノーム的にリズムを刻むというよりは、ヴォーカルの節回しや、ベースやギターのフレーズに反応してグルーヴを高めていく感じ。それがまたエキサイティングなのです。赤いドレスでヴァネッサと絶妙なコントラストをつけた、バック・コーラスのシェリー・トーマスとカーメン・ルビー・フロイドのハーモニーも絶品です。
途中では1920〜30年代のジャズ・ソングのカヴァーも聴くことができました。デューク・エリントンの「Creole Love Call」ではカーメンのスキャット(ワードレス・ヴォーカルといったほうがいいかもしれません)がフィーチャーされました。ぼくは2012年に彼女の出演する舞台「ポーギー&べス」をブロードウェイで見て、その豊かな歌声に圧倒されたのですが、まさか彼女のパフォーマンスを日本で体験できるとは思いませんでした。そしてヴァネッサはリナ・ホーンの当たり曲「Stormy Weather」等を歌い、シェリーとはデュオで「Losing My Mind」を歌い上げました。
もちろん映画「ポカホンタス」の主題歌「Colors Of The Wind」、全米ヒット・チャートの1位に輝いた「Save The Best For Last」等も、じっくり聴かせてくれました。ヴァネッサだけではなく、バック・コーラスも、バンド・メンバーも、全員が絶好調です。公演は15日まで行なわれた後、若干のブレイクをはさみ、19日から22日まで行なわれます。(16日から18日にかけてはマーク・キャリーとダニエル・クロフォードが競演しますが、これもJTルイスのリズム感がお好きなファンなら、必ず楽しんでもらえるであろうことをお約束します)。
(原田 2015 6.15)
●VANESSA WILLIAMS
2015 6.14 sun. - 15 mon., 19 fri. - 22 mon. ブルーノート東京
2015 6.17 wed. サンケイホールブリーゼ(大阪)
2015 6.14 SUN.
1st & 2nd | |
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1. | THE REAL THING |
2. | DREAMIN' |
3. | LOVE IS |
4. | COLORS OF THE WIND |
5. | SWEETEST DAYS |
6. | THE COMFORT ZONE |
7. | CONSTANTLY |
8. | CREOLE LOVE SONG |
9. | STORMY WEATHER |
10. | BILL |
11. | LOSING MY MIND |
12. | WORK TO DO |
13. | OH HOW THE YEARS GO BY |
14. | SAVE THE BEST FOR LAST |
EC. | BETCHA NEVER |