2015 6.16 tue. - 6.18 thu.
MARC CARY RHODES AHEAD TRIO / DANIEL CRAWFORD TRIO -Double Bill Show-
artist DANIEL CRAWFORD , MARC CARY
原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO
ロバート・グラスパーのファンに、必ず"響く"に違いないセッションが今、行なわれています。キーボードの鬼才、ダニエル・クロフォードとマーク・ケアリーのダブルビル公演です。
ブルーノート東京がダブルビル(対バン)形式をとるのは久しぶりです。かつてはダイアナ・クラールとクリスチャン・マクブライドの各バンド、ジョシュア・レッドマンとベニー・グリーンの各バンド、ジョン・スコフィールドとチャーリー・ハンターの各バンド等のダブルビルがありました。1回のライヴで2つのバンドが楽しめるのは素晴らしいアイデアです。
最初に登場したのはダニエル・クロフォードのグループです。共演者はラシャーン・カーター(エレクトリック・ベース)、ステイシー・ラモント・シドナー(ドラムス)。ダニエルはロサンゼルスに生まれ育ち、これまでラファエル・サディーク、ジェニファー・ハドソン、メアリー・J・ブライジ等と演奏してきました。ダニエルは今回が初来日、シンセサイザー"コルグ・クロノス"2台を弾きます。プログラムは全曲、昨年発表されたアルバム『ジ・アウェイクニング』からのものです。レッド・ツェッペリンの「Kashmir」、弾き語りを聴かせた「Water No Get Enemy」等をたっぷり聴くことができました。「いったい一打でいくつ音を出すつもりなのか」といいたくなるほど多い手数を持つステイシーのプレイも圧巻でしたし、ウッド・ベースの若き名手であるラシャーンのエレクトリック・プレイも見事でした。
続いては大御所、マーク・ケアリー率いる"ローズ・アヘッド・トリオ"です。マークは1980年代から本格的な活動を開始し、アビー・リンカーン、アート・テイラー、ベティ・カーターといった20世紀のジャズ・レジェンドの元で腕を磨きました。1999年のアルバム『トリリウム』は若き日の彼が発表した大傑作で、ここに参加していたタラス・マティーンとナシート・ウェイツは後にジェイソン・モラン率いるバンドワゴンのメンバーになります。マークはまた、敏腕ジャズ・ピアニストとして多忙な日々を送る一方でQティップ、エリカ・バドゥらのサポートも務めてきました。"ローズ・アヘッド・トリオ"は彼がフェンダー・ローズの可能性を追求すべく結成したグループといっていいでしょう。サミア・グプタがタブラ(インドの打楽器)を仕込んだドラム・セットを叩き、エレクトリック・ベースはラシャーンが引き続き担当します。演目は最新作『ロ−ズ・アヘッドvol.2』からハロルド・メイバーンの作曲でリー・モーガンの演奏でも知られる「The Beehive」、驚愕のタブラがフィーチャーされた「Essaouira Walks」等。また「CD Changer」という曲では、9つのムードやテンポの異なるモチーフをつなげ、まさに"CDやiPodに入っている曲が勝手に選別されて再生されていく"様子を見事に再現しました。
聴きごたえたっぷりのダブルビル公演、公演は18日まで!
(原田 2015 6.17)
2015 6.16 TUE.
1st | |
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DANIEL CRAWFORD TRIO | |
1. | KASHMIR |
2. | UNDER THE CHERRY MOON |
3. | WATER NO GET ENEMY |
4. | THE AWAKENING |
MARC CARY RHODES AHEAD TRIO | |
1. | BEEHIVE |
2. | YOU CAN'T STOP US NOW |
3. | CHUNDRACONES |
4. | CD CHANGER |
5. | ESSAOUIRA WALKS |
2nd | |
DANIEL CRAWFORD TRIO | |
1. | KASHMIR |
2. | UNDER THE CHERRY MOON |
3. | WATER NO GET ENEMY |
4. | BLACK HOLE SUN |
5. | THE AWAKENING |
MARC CARY RHODES AHEAD TRIO | |
1. | FOR MOSEKA |
2. | HE WHO HOPS AROUND |
3. | MINOR MARCH |
4. | STARE AND STARE |
5. | CD CHANGER |