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SIMON PHILLIPS "Protocol Ⅲ" featuring ANDY TIMMONS, STEVE WEINGART, ERNEST TIBBS @COTTON CLUB

artist ANDY TIMMONS , SIMON PHILLIPS

REPORT

原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO


ミック・ジャガー、ジェフ・ベック、カルロス・サンタナらと共演。TOTOのメンバーとしての活動歴も持つスーパー・ドラマーがサイモン・フィリップスです。近年は上原ひろみザ・トリオ・プロジェクトでも活動し、彼と日本のファンの距離がさらに近づいたような印象を受けます。

今回は4月に国内発売された最新作『プロトコルIII』の世界を、ライヴでたっぷりお届けしようというもの。23日には「ブルーノート東京」に出演しますが、それに先駆けて19日から「コットンクラブ」公演が始まりました(21日まで)。「あの巨大なドラム・セットが、コットンクラブのバンドスタンドに乗るのだろうか」と、ぼくは興味津々で会場に向かいましたが、乗っていました。客席から向かって左の位置にサイモンのドラム・セットが横に並べてあり、その横にベース、ギター、キーボードが並びます。インド音楽を取り入れたオープニングSEに導かれて登場した4人は、まず「Narmada」をプレイします。ぼくの席からはサイモンの華麗なスティックさばき、ムダのない動きをする上半身、笑顔がいっぱいの表情をたっぷり見ることができました。2つのバスドラには最新作のジャケットにも登場する文字(ロゴ)が書かれています。

日本語によるMC(紙に書かれたローマ字を読んでいました)のあとは、「Catalyst」、「Amrita」、「Circle Seven」の3連発。当然ながらCDよりもさらに長く、白熱したパフォーマンスが続きます。メンバーの前には、譜面の類は一切ありません。にもかかわらず、複雑なユニゾンをばっちり決め、変拍子や曲中の激しいテンポ・チェンジも何事もなかったかのようにこなしていきます。ハービー・ハンコックへの敬愛を感じさせるスティーヴ・ワインガートのキーボードや速度の限界に挑戦するかのようなアンディ・ティモンズのギターが激しい応酬を繰り広げるいっぽう、ベースのアーネスト・ティブズはあくまでも渋く、深みのある重低音でバンドのボトムを支えます。そしてオーラスは、メロディアスな「Moments Of Fortune」。MCでサイモンはいいました。「この曲はテクニカル系じゃないよ(笑)。とてもいいメロディができたから、誰かに歌詞をつけて歌ってもらいたいと思っているんだ」。

「毎回、違う内容のライヴを心がけているんだ。エクスペリメント(実験)を忘れたら面白くないからね。今回のツアーでは、『プロトコルIII』のすべてを演奏する。だから複数回、ライヴに足を運んでくれたら、きっと全部のレパートリーが楽しめると思うよ」と語るサイモン。乗りに乗る彼の姿を、ぜひナマでお楽しみください。
(原田 2015 6.20)


●SIMON PHILLIPS "Protocol Ⅲ"
featuring ANDY TIMMONS, STEVE WEINGART, ERNEST TIBBS
2015 6.19 fri. - 6.21 sun. コットンクラブ
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2015 6.23 tue. ブルーノート東京
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●SIMON PHILLIPS DRUM CLINIC
2015 6.22 mon. cafe104.5
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photo by Y.Yoneda

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