2015 7.1 wed. - 7.3 fri.
Dr. LONNIE SMITH TRIO
artist Dr. LONNIE SMITH
原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO
ハモンド・オルガンひとすじ50年。近年は自主レーベル"Pilgrimage"でも気を吐く名手中の名手、ドクター・ロニー・スミスが自身のバンドで、ブルーノート東京に初めて登場しています。
ジョージ・ベンソン(『クックブック』)、ルー・ドナルドソン(『アリゲイター・ブーガルー』)等のバンドで頭角を現し、自身のリーダー・アルバムも多数。リー・モーガン、グラント・グリーン、エリック・ゲイル、ジョー・ロヴァーノ、ジョン・アバークロンビー等、その時代の精鋭を起用してきました。初期は単にロニー・スミスと名乗っていましたが、キーボード奏者ロニー・リストン・スミスとの混同を避けるためでしょうか、ここ四半世紀はドクター・ロニー・スミスと名乗っています。ジミー・スミス、ジャック・マクダフ、ラリー・ヤング、チャールズ・アーランドなど往年の名オルガン奏者が軒並み亡くなってしまった今、ソウル・ジャズ黄金時代の名残を伝える数少ないひとりが彼なのです。
とはいえ、決して過去を懐かしむような演奏をしないのもまた、ドクター・ロニー・スミスならではです。タブラのような、ボンゴのような音を出すエレクトリック・パーカッションを操りながらのプレイは、'60年代のブルーノート盤に慣れ親しんだファンにはいささか衝撃的だったかもしれません。愛用の杖にも音源が仕込んであり、杖をギターのように振り回しながら弾くシーンも大いに会場を沸かせました。ギターのジョナサン・クライスバーグは、すでに10枚のアルバムを出している中堅。フルアコースティック・タイプのエレクトリック・ギターに様々なエフェクターを通し、ソロにバッキングに大活躍します。ラリー・グレナディアやビル・スチュアートと組んだ(つまりパット・メセニー・トリオのリズム隊と共演した)『NINE STORIES WIDE』を愛聴しているギター・フリークも多いのではないでしょうか。ドラムスのジョー・ダイソンはニューオリンズで育ち、ボストンのバークリー音楽院を経て本格的なプロ活動に入りました。これまでの共演者にはドクター・ジョン、エスペランサ・スポルディング等がいます。
ロニーはジョナサンを「息子」、ジョーを「孫」と呼んでいました。ノリノリのファンキー・ナンバーだけではなく、フレディ・ハバードの「Up Jumped Spring」、ジョン・コルトレーンの演奏で知られる「My Favorite Things」等、ジャズ・ファンにはおなじみのナンバーもたっぷり含むステージは、このオルガン奏者の偉大さを幅広い層に伝えることでしょう。公演は3日まで続きます。
(原田 2015 7.1)
●ORGAN SUMMIT
featuring Dr. LONNIE SMITH,
KANKAWA, DAISUKE KAWAI & AKIKO TSURUGA
2015 7.4 sat. - 7.5 sun. ブルーノート東京
2015 7.1 WED.
1st | |
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1. | BACKTRACK |
2. | MELLOW MOOD |
3. | FRAME FOR THE BLUES |
4. | 50 WAYS TO LEAVE YOUR LOVER |
5. | UP JUMPED SPRING |
6. | MY FAVORITE THINGS |
EC. | INTRO ~ PLAY IT BACK |
2nd | |
1. | ON A MISTY NIGHT |
2. | MEDLEY : STRAIGHT, NO CHASER ~ DRUM SOLO ~ BEEHIVE |
3. | MY FAVORITE THINGS |
4. | AND THE WORLD WEEPS |
5. | INTRO ~ PLAY IT BACK |
6. | PILGRIMAGE |
EC1. | JUST A MATT 'A PAT |
EC2. | CHELSEA BRIDGE |