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原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO


"お帰りなさい"という声が聞こえてきそうなステージでした。ミュージシャンとファンが一体となって、フレンドリーな雰囲気を生み出します。カリフォルニアが生んだサーフ・ロックの雄、パブロ・クルーズが3年ぶりに「ブルーノート東京」に登場しています。

「前は8月に来たんだけど、そんなに暑くはなかったな。だけど今回は暑いね。ものすごくホットだよ!」。そんなMCを挟みながら、繰り出されたのは「Cool Love」、「Raging Fire」といったナンバーたち。ギターのデヴィッド・ジェンキンス、キーボードのコーリー・レリオス、そして2010年から参加しているベースのラリー・アントニーノが演奏とコーラスをばっちりこなし、場内の熱気を高めていきます。爽やかなナンバーが続いた後は、ラテン・ファンク調のインスト・ナンバー「El Verano」。ドラムスのスティーヴ・プライスを含む全員が、踊りだしたくなるようなプレイを聴かせます。ブルース調の「Island Woman」ではコーリーのハスキーな歌声がソロをとり、「Don't Wanna Live」ではデヴィッドとラリーが掛け合いでリード・ヴォーカルをこなしました。前回の来日時にも思いましたが、抜群のメロディ・センス、演奏力に加えて、リードをとれるシンガーが3人もいるところも、パブロ・クルーズのとても大きな強みです。しかも「Don't~」でのデヴィッドは客席に降りて、ファンと数センチの距離まで近づいてギターを弾きまくりました。

途中、コーリーが大きなサプライズを届けてくれました。3度のワールドチャンピオン、33回のワールドツアー・イベント優勝などに輝くカリスマ的サーファー、トム・カレンが来場していることを告げたのです。客席の反応がさらに熱狂的になったことはいうまでもありません。そして後半に入ると「Love Will Find A Way」、「Watcha Gonna Do」といった金字塔を惜しげもなく披露。オーディエンスは手拍子、声援、そして合唱でメンバーの熱演に応えました。そして最後には、観客からのリクエストを受けて大作「Ocean Breeze」を披露。実はこの曲、事前のプログラムには含まれていませんでした。ファンからの希望を受けて、即セットリストに組み込まれたのです。

日本のファンを愛するパブロ・クルーズと、パブロ・クルーズを愛する日本のファン。"相思相愛"の公演は、2日まで続きます。
(原田 2015 7.31)

SET LIST

2015 7.31 FRI.
1st
1. COOL LOVE
2. RAGING FIRE
3. EL VERANO
4. ATLANTA JUNE
5. ISLAND WOMAN
6. WILL YA, WON'T YA
7. WORLDS AWAY
8. PLACE IN THE SUN
9. ZERO TO SIXTY
10. DON'T WANNA LIVE
11. LOVE WILL FIND A WAY
12. WHATCHA GONNA DO
EC. OCEAN BREEZE
 
2nd
1. COOL LOVE
2. EL VERANO
3. ATLANTA JUNE
4. ISLAND WOMAN
5. WORLDS AWAY
6. PLACE IN THE SUN
7. ZERO TO SIXTY
8. DON'T WANNA LIVE
9. I WANT YOU TONIGHT
10. LOVE WILL FIND A WAY
11. I GO TO RIO
12. WHATCHA GONNA DO
EC. WILL YA, WON'T YA

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