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MADELEINE PEYROUX TRIO - Keep Me in Your Heart for A While -

artist MADELEINE PEYROUX

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原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO


この日が来るのを待ち遠しく感じていたファンも多いことでしょう。アンニュイなムードにあふれた弾き語りシンガー、マデリン・ペルーが7年ぶりに「ブルーノート東京」に登場しています。

CDでもライヴでも親密感を感じさせるパフォーマンスを行なう彼女ですが、今回はなんと、ジョン・ヘリントン(エレクトリック・ギター)、バラク・モリ(ベース)とのトリオです。ヘリントンはスティーリー・ダンやボズ・スキャッグスのバンドで来日経験があり、バラクは先日の「東京JAZZ」にエリ・デジブリのバンドの一員として出演していました。今回のマデリンのバンドには、キーボードもドラムもいません。最小の編成で、じっくりと歌を届けようということなのでしょう。マデリンはアコースティック・ギターのほか、ギタレレもプレイします。ニューヨークで生まれ育ったといってもよいジョン、テルアビブ出身のバラク、そして音楽家としてはまずフランスで認められたマデリン。ワールドワイドに活動する3人のアンサンブルは、とても息が合っています。

初日のファースト・セットでプレイされたのは、ボリュームたっぷりの全17曲。弓弾きベースをバックにしっとり歌う「Tango Till They're Sore」(トム・ウェイツのカヴァー)、"私の歌は3種類しかないの。ブルース、ラブ・ソング、ドリンキング・ソングよ。それがひとつになった歌をこれから歌うわ"という前置きの後に飛び出した「Guilty」等、ファンの"これが聴きたかったんだ"という声がきこえてきそうなナンバーが次々と飛び出します。大のブルース好きとしても知られるマデリンは、今回、シカゴ・ブルースの巨星であるウィリー・ディクソンの書いたナンバーを2つとりあげました。そのひとつが「If the Sea Was Whiskey」、タイトル通りの歌詞を持つユーモラスなドリンキング・ソングです。日本でも春日八郎が"養老の滝が酒であったなら"と「瓢箪(ひょうたん)ブギ」という曲を歌いましたが、アルコールに対する熱い気持ちは国境を問わないということでしょうか。ジョンとバラクが担当するバック・コーラスも絶品でした。

後半ではフランス語のナンバー「La Javanaise」や、アントニオ・カルロス・ジョビン作のボサ・ノヴァ「Agua de Beber」(ポルトガル語で歌唱)も登場。さまざまな言語を歌いこなすマデリンだけに、いつか日本語のナンバーが聴けるかも、と期待を大きくしてしまいます。公演は15日(水曜)まで。心に語りかけてくるサウンドの数々を、どうぞお楽しみください。
(原田 2015 9.13)

SET LIST

2015 9.13 SUN.
1st
1. TAKE THESE CHAINS
2. BETWEEN THE BARS
3. TANGO TILL THEY'RE SORE
4. GUILTY
5. GETTING SOME FUN OUT OF LIFE
6. IF THE SEA WAS WHISKEY
7. DON'T WAIT TOO LONG
8. MADI SOLO / LA JAVANAISE
9. MADI SOLO / TRAMPIN
10. MADI SOLO / EASY COME EASY GO
11. GOT YOU ON MY MIND
12. MORE TIME
13. ÁGUA DE BEBER
14. DANCE ME TO THE END OF LOVE
15. CARELESS LOVE
16. KEEP ME IN YOUR HEART FOR A WHILE
EC. THIS IS HEAVEN TO ME
 
2nd
1. TAKE THESE CHAINS
2. BETWEEN THE BARS
3. TANGO TILL THEY'RE SORE
4. GUILTY
5. GETTING SOME FUN OUT OF LIFE
6. HALF THE PERFECT WORLD
7. DON'T WAIT TOO LONG
8. MADI SOLO / LA JAVANAISE
9. MADI SOLO / TRAMPIN
10. MADI SOLO / EASY COME EASY GO
11. IF THE SEA WAS WHISKEY
12. MORE TIME
13. DANCE ME TO THE END OF LOVE
14. CARELESS LOVE
15. KEEP ME IN YOUR HEART FOR A WHILE
EC. THIS IS HEAVEN TO ME

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