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DAVE WECKL & MAKOTO OZONE featuring TOM KENNEDY & GARY MEEK

artist DAVE WECKL , 小曽根真

REPORT

原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO


凄腕4人による白熱のセッションが、ついに日本上陸です。デイヴ・ウェックル、小曽根真、ゲイリー・ミーク、トム・ケネディによる"デイヴ・ウェックル・アコースティック・バンド"の登場です。2014年に開催されたアメリカ・ツアーの後、今年の春はロンドン、ミラノ、パリなどヨーロッパ17か所でライヴを行ない、7月に待望のアルバム『オブ・ザ・セイム・マインド』が国内リリースされました。脂の乗った状態のなか、実現した来日公演。期待に胸が高まります。

ステージには左から小曽根、ゲイリー、デイヴ、トムがほぼ横一列に並びます。小曽根はピアノとオルガンを兼任し、トムはアコースティックに専念します。1曲目はゲイリーが書いたアップ・テンポの4ビート・ナンバー「What Happened to My Good Shoes」。全員が雄弁なソロを繰り広げた後、休みなく小曽根作「Something's Happening」がプレイされます。小曽根はオルガンでファンキーなフレーズをまき散らし、トムは'40年代のジャズの名曲「Red Top」のメロディをアドリブに引用しました。"ウッド・ベース版スウィープ・ピッキング"といえばいいのでしょうか、猛烈な速さで指がネックの上を動き回ります。故ニールス・ペデルセン、現役奏者ではブライアン・ブロンバーグやディーター・イルクと並ぶ超絶技巧の持ち主といっていいでしょう。ソリストのプレイに応じて叩き方を変化させるデイヴのキメ細かさにも"さすが"と唸るしかありません。

ここでデイヴが曲紹介をします。タイトルは「Stay Out」。つづいて小曽根がユーモアを交えながら、作曲の由来を日本語で説明します。2013年、デイヴと小曽根とトムはマイク・スターンと一緒に「ブルーノート東京」に出演しました。このときは各ステージに1曲、マイクが参加せず3人だけで演奏する曲が用意されていた・・・はずなのですが、横でゴキゲンなプレイを聴いているマイクが黙っていられるわけもなく、事前の取り決めを忘れて曲の途中から参加しようとしたことも何度かあったとか。そのつどデイヴが「Stay Out」(入ってこないで)とマイクに呼びかけたことが、この曲名につながったそうです。作曲はデイヴ、小曽根、トムが共同で行ないました。小曽根は引き続きオルガンで目の覚めるようなプレイを繰り広げます。

小曽根作「Agua de la Musica」はラテン調とクラシック調が共存したナンバー。無伴奏のピアノ・ソロ・パートを経てデイヴがブラッシュで刻むラテン・リズムが登場、そのあとにトムのベースが入ってきます。途中から小曽根とデイヴのデュオ・パートになるのですが、この部分はまったくの即興(事前の打ち合わせ一切なし)とのこと。オクターヴ奏法などを使いながらスケールの大きなプレイを聴かせる小曽根、そのフレーズに鋭く反応しながらビートをぶち込むデイヴ。ふたりの"音の会話"は息の合ったエンディングを迎え、満員の場内から怒涛のような拍手と声援が起こりました。

「ワン・モア・グルーヴ?」というデイヴの問いかけにファンが応えた後は、なんと「The Chicken」が演奏されました。ジェームス・ブラウン1969年のヒット曲で、'80年代にはジャコ・パストリアスのカヴァーでも有名になりました。ゲイリーの逞しいブロウを、リズム・セクションのうねるようなプレイが鼓舞します。すべてのプレイを終え、観客の前で肩を組んだ4人は皆、とんでもなくいい笑顔をしていました。本日の公演でも、彼らは最高の笑顔と最高の演奏でファンを歓喜させることでしょう。
(原田 2015 9.24)

SET LIST

2015 9.23 WED.
1st
1. WHAT HAPPENED TO MY GOOD SHOES
2. SOMETHING'S HAPPENING
3. STAY OUT
4. KOOLZ
5. AGUA DE LA MUSICA
6. IMPROVISATION
7. SONGO MIKELE
EC. THE CHICKEN
 
2nd
1. WHAT HAPPENED TO MY GOOD SHOES
2. SOMETHING'S HAPPENING
3. STAY OUT
4. KOOLZ
5. AGUA DE LA MUSICA
6. IMPROVISATION
7. NOTHING PERSONAL
EC. THE CHICKEN

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