2015 10.10 sat. - 10.14 wed.
CANDY DULFER & BAND featuring very special guest HANS DULFER
artist CANDY DULFER , HANS DULFER
原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO
昨年の10月30日に「ブルーノート東京」で行なわれたキャンディ・ダルファーとハンス・ダルファーの親子公演。1日だけの開催ということもあり、見ることのできなかった数多くのファンから「ぜひアンコール公演を」との声が寄せられていました。
そのリクエストがついに叶いました。昨日から14日まで、この"オランダが世界に誇るファンキー親子"は「ブルーノート東京」を舞台に5日間10セットのライヴを繰り広げます。ぼくは初日のファースト・セットに足を運びましたが、大阪や名古屋を経ての公演ということもあるのでしょう、バンドのノリはこれ以上なくこなれており、ファンク・ファン、フュージョン・ファン、ダンス・ミュージック・ファン、そしてサックス・ファンの誰もを満足させるに違いありません。
前半はキャンディのバンドによる演奏です。ニュー・クール・コレクティヴでも来日経験のあるドラマーのヨースト・クローンがタイトなリズムを打ち出し、今回が初参加となるディロン・ルイスもパーカッションやバック・コーラスで魅力を発揮します。「After Tonight」、「Hold Up」、「D.I.S.C.O.」と新しめのレパートリーを揃え、キャンディとそのバンドは場内をダンス空間にします。殆どの曲でキャンディは前奏を吹き、ワン・コーラス歌い、間奏を吹き、さらに歌い、エンディングを吹くという大活躍ぶり。シンガーとサックス奏者の二役を演じているのです。しかも曲間のMCでは盛んに観客に語りかけ、煽ります。根っからのエンターテイナーという気がしました。
「Bass in ur face」からお待ちかね、ハンスが登場します。楽屋からステージに続く通路を練り歩きながらのプレイに場内は大騒ぎです。敬愛するビッグ・ジェイ・マクニーリ―ばりのスクリーム(叫ぶような音)を出しながら、存在感たっぷりのブロウを展開します。キャンディは美貌とブロンドの髪と美脚の持ち主ですが、ハンスは(前に流行った言葉を使えば)チョイ悪オヤジ風。この父親の血があのキャンディに流れているということがいまだに信じられない気もします。しかし巧みなショウマンシップは見事に受け継がれています。"ダディにはここで休んでもらって、次のアンコール曲で加わってもらうことにするわ"というMCから始まった「Pick Up The Pieces」ですが、あまりにも乗りまくった演奏に我慢できなくなったのでしょう、ハンスは曲の途中でステージにあがり、キャンディの横でブリブリとサックスを吹き始めました。
「演奏することはいつも楽しいけれど、ダディと一緒にプレイできるのは本当に嬉しいわ。喜びが何倍にも感じられるの」と語るキャンディ。親子、同志、ライバルのすべてを兼ね備えたサックス・チームの熱いパフォーマンスをぜひお楽しみください。
(原田 2015 10.10)
2015 10.10 SAT.
1st & 2nd | |
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1. | AFTER TONIGHT |
2. | HOLD UP |
3. | D.I.S.C.O. |
4. | CRAZY |
5. | WHAT U DO |
6. | LILY WAS HERE |
7. | BASS IN UR FACE |
8. | MICKEY MOUTH |
9. | DIG |
10. | PICK UP THE PIECES |
EC. | RED RED LIBANON |