LIVE REPORTS

ARTIST ARCHIVES

MONTHLY ARCHIVE

VIDEO ARCHIVES


MATT DUSK with special guest KAREN AOKI

artist MATT DUSK , 青木カレン

REPORT

原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO


カナダが生んだ伊達男、マット・ダスク。彼のゴージャスでファンタスティックなショウが、昨日から始まりました。

メンバーの登場の仕方も凝っています。まずはドラムスのベン・ライリー(セロニアス・モンクと共演したアメリカ人奏者とは同名異人)がソロを繰り広げ、続いてベースのロス・マッキンタイアが演奏を始め、さらにピアノのエイドリアン・ファルジアが合流、つづいてテナー・サックスのスティーヴ・マクドナルドとトランペットのブラッド・グードが音を出し始めます。しばらくすると小走り気味にマットが登場、勢いよくマイク・スタンドを抱えて「This Could Be the Start of Something Big」を歌いだしました。ジョークを交えた曲間のトークも絶好調、わかりやすい英語で全オーディエンスに目線を合わせながら場内を和ませます。

チェット・ベイカーに捧げたアルバム『マイ・ファニー・ヴァレンタイン』からの楽曲を紹介するコーナーでは、やはりタイトル曲が圧巻でした。チェットはこのナンバーを高めの声でつぶやくように歌いましたが、マットは低めの声域を使い、声量豊かにじっくりと歌い上げます。そこに絡むブラッドのミュート・トランペットがまた見事でした。彼はカナダではなく、米国シカゴ出身。デューク・エリントン・オーケストラのキャット・アンダーソンに奏法を習ったベテランです。ぼくはスティープルチェイスというレーベルから出たリーダー・アルバムを聴いて感銘を受けたものですが、このトランペット演奏も、ライヴの価値を高めていたことはいうまでもありません。

中盤では青木カレンがゲスト登場し、デュオ・アルバム『ロスト・イン・リオ』の世界が繰り広げられました。マットと青木は2013年の東京JAZZのアフター・パーティで初共演以来、いつかアルバムを作りたいと願っていたそうです。また青木にはカナダの血が入っており(クオーター)、それもマットに親しみを抱かせたようです。「Quiet Nights」等を、聴くことができました。

後半はマットのシンガー・ソングライターとしての魅力を味わうコーナーです。元モンキーズのデイヴィー・ジョーンズもカヴァーしている代表曲「Back In Town」、ポール・マッカートニーやエルトン・ジョンへの敬愛を感じさせる「Good News」(ピアノ弾きがたり)等、リズミカルなナンバーで楽しませてくれました。

また今回のライヴは、曲によってビッグ・バンドやストリングスの響きも確認できます。5人編成のバック・バンドで、どうしてそれが可能なのか? この"マジック"はぜひ現場でご確認いただけたらと思います。
(原田 2015 11.13)

SET LIST

2015 11.12 THU.
1st
1. BLUES INTRO
2. THIS COULD BE THE START OF SOMETHING BIG
3. AS LONG AS I'M SINGING
4. PUTTIN' ON THE RITZ
5. I'VE GOT YOU UNDER MY SKIN
6. YOU MAKE ME FEEL SO YOUNG
7. MY FUNNY VALENTINE
8. TIME AFTER TIME
9. QUIET NIGHTS OF QUIET STARS
10. YOUR KISS IS ON MY LIST
11. SOMETHING STUPID
12. BACK IN TOWN
13. WOULDN'T CHANGE A THING
14. TWO SHOTS OF HAPPY, ONE SHOT OF SAD
15. GOOD NEWS
16. MY WAY
EC. JUST THE TWO OF US
 
2nd
1. BLUES INTRO
2. THIS COULD BE THE START OF SOMETHING BIG
3. AS LONG AS I'M SINGING
4. PUTTIN' ON THE RITZ
5. MACK THE KNIFE
6. THAT'S ALL
7. MY FUNNY VALENTINE
8. TIME AFTER TIME
9. QUIET NIGHTS OF QUIET STARS
10. YOUR KISS IS ON MY LIST
11. SOMETHING STUPID
12. BACK IN TOWN
13. WOULDN'T CHANGE A THING
14. GOOD NEWS
15. MY WAY
EC. JUST THE TWO OF US

INDEX