2015 11.12 thu. - 11.13 fri.
MATT DUSK with special guest KAREN AOKI
原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO
カナダが生んだ伊達男、マット・ダスク。彼のゴージャスでファンタスティックなショウが、昨日から始まりました。
メンバーの登場の仕方も凝っています。まずはドラムスのベン・ライリー(セロニアス・モンクと共演したアメリカ人奏者とは同名異人)がソロを繰り広げ、続いてベースのロス・マッキンタイアが演奏を始め、さらにピアノのエイドリアン・ファルジアが合流、つづいてテナー・サックスのスティーヴ・マクドナルドとトランペットのブラッド・グードが音を出し始めます。しばらくすると小走り気味にマットが登場、勢いよくマイク・スタンドを抱えて「This Could Be the Start of Something Big」を歌いだしました。ジョークを交えた曲間のトークも絶好調、わかりやすい英語で全オーディエンスに目線を合わせながら場内を和ませます。
チェット・ベイカーに捧げたアルバム『マイ・ファニー・ヴァレンタイン』からの楽曲を紹介するコーナーでは、やはりタイトル曲が圧巻でした。チェットはこのナンバーを高めの声でつぶやくように歌いましたが、マットは低めの声域を使い、声量豊かにじっくりと歌い上げます。そこに絡むブラッドのミュート・トランペットがまた見事でした。彼はカナダではなく、米国シカゴ出身。デューク・エリントン・オーケストラのキャット・アンダーソンに奏法を習ったベテランです。ぼくはスティープルチェイスというレーベルから出たリーダー・アルバムを聴いて感銘を受けたものですが、このトランペット演奏も、ライヴの価値を高めていたことはいうまでもありません。
中盤では青木カレンがゲスト登場し、デュオ・アルバム『ロスト・イン・リオ』の世界が繰り広げられました。マットと青木は2013年の東京JAZZのアフター・パーティで初共演以来、いつかアルバムを作りたいと願っていたそうです。また青木にはカナダの血が入っており(クオーター)、それもマットに親しみを抱かせたようです。「Quiet Nights」等を、聴くことができました。
後半はマットのシンガー・ソングライターとしての魅力を味わうコーナーです。元モンキーズのデイヴィー・ジョーンズもカヴァーしている代表曲「Back In Town」、ポール・マッカートニーやエルトン・ジョンへの敬愛を感じさせる「Good News」(ピアノ弾きがたり)等、リズミカルなナンバーで楽しませてくれました。
また今回のライヴは、曲によってビッグ・バンドやストリングスの響きも確認できます。5人編成のバック・バンドで、どうしてそれが可能なのか? この"マジック"はぜひ現場でご確認いただけたらと思います。
(原田 2015 11.13)
2015 11.12 THU.
1st | |
---|---|
1. | BLUES INTRO |
2. | THIS COULD BE THE START OF SOMETHING BIG |
3. | AS LONG AS I'M SINGING |
4. | PUTTIN' ON THE RITZ |
5. | I'VE GOT YOU UNDER MY SKIN |
6. | YOU MAKE ME FEEL SO YOUNG |
7. | MY FUNNY VALENTINE |
8. | TIME AFTER TIME |
9. | QUIET NIGHTS OF QUIET STARS |
10. | YOUR KISS IS ON MY LIST |
11. | SOMETHING STUPID |
12. | BACK IN TOWN |
13. | WOULDN'T CHANGE A THING |
14. | TWO SHOTS OF HAPPY, ONE SHOT OF SAD |
15. | GOOD NEWS |
16. | MY WAY |
EC. | JUST THE TWO OF US |
2nd | |
1. | BLUES INTRO |
2. | THIS COULD BE THE START OF SOMETHING BIG |
3. | AS LONG AS I'M SINGING |
4. | PUTTIN' ON THE RITZ |
5. | MACK THE KNIFE |
6. | THAT'S ALL |
7. | MY FUNNY VALENTINE |
8. | TIME AFTER TIME |
9. | QUIET NIGHTS OF QUIET STARS |
10. | YOUR KISS IS ON MY LIST |
11. | SOMETHING STUPID |
12. | BACK IN TOWN |
13. | WOULDN'T CHANGE A THING |
14. | GOOD NEWS |
15. | MY WAY |
EC. | JUST THE TWO OF US |