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RICHARD GALLIANO & RON CARTER - DUO -

artist RICHARD GALLIANO , RON CARTER

REPORT

原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO


デュオの達人ふたりが、ついに日本で出会いました。リシャール・ガリアーノとロン・カーターの共演です。

ロンはギター奏者ジム・ホールとの名盤『アローン・トゥゲザー』を筆頭に、ピアニストのシダー・ウォルトン、サックス奏者のヒューストン・パーソン、歌手のヘレン・メリルなどとデュオ作品を残してきました。そしてリシャールも、フランスのクラリネット奏者ミシェル・ポルタル(先ごろ来日したエベーヌ弦楽四重奏のメンバーはポルタルのことを「最も冒険的な即興演奏家のひとり」と言っておりました)、イタリアのクラリネット奏者ガブリエレ・ミラバッシ、フランスのオルガン奏者エディ・ルイス等と、目の覚めるようなデュオ・アルバムを残しています。そんなロンとリシャールがふたりきりで吹き込んだのは1990年のこと。そのアルバム『Panamanhattan』から約四半世紀が経ち、今、ふたりはブルーノート東京のステージに立っています。

「日本でこのデュオで演奏できるとは、本当に嬉しいね。リヴィング・ルームにいるような気持ちで楽しんでほしい」というロンのひとことから、演奏は始まりました。オープニングはロンがピアニストのデューク・ピアソンに捧げた「Blues For D.P.」。ボタン式のアコーディオンからブルージーなフレーズを紡ぎ出すリシャールの姿が新鮮です。演奏は途中、ふたりの無伴奏ソロ・ナンバーもはさみながら快調に進みます。楽器編成ゆえか、静謐でゆったりしたナンバーが多めでしたが、後半では「Cherokee」を超アップ・テンポで演奏。左手で和音をはさみながら、右手で超絶早弾きを披露するリシャールは、まさに"業師"です。続いては'40~'50年代に活躍した伝説的ベース奏者、オスカー・ペティフォードのオリジナルから「Now See How You Are」。ペティフォードはこの曲を、オランダ人のボタン式アコーディオン奏者マット・マシューズと共に演奏していました。それを踏まえての選曲でしょうか。ペティフォードは37歳で亡くなってしまいましたが、ロンは現在78歳です。2倍以上の長さを、ロンは生きているのです。

続いて『Panamanhattan』にも入っていたロンの代表的自作「Little Waltz」が演奏されましたが、それが余韻たっぷりに終わっても拍手は鳴りやみません。そこで飛び出したのが極めつけの「Autumn Leaves」、いや、この日は原題の「Les Feuilles mortes」のほうが、よりこの日の雰囲気にふさわしいものでした。秋の夜長に二人の紳士が織りなす、アコーディオンとベースの優しい重なり。公演は本日も行なわれます。
(原田 2015 11.20)

SET LIST

2015 11.19 THU.
1st
1. BLUES FOR D.P.
2. GISELLE
3. BOM DIA
4. ACCORDION SOLO
5. LIGHT BLUE
6. BARBARA
7. BASS SOLO
8. CHEROKEE
9. NOW SEE HOW YOU ARE
EC1. LITTLE WALTZ
EC2. AUTUMN LEAVES
 
2nd
1. BLUES FOR D.P.
2. GISELLE
3. BOM DIA
4. ACCORDION SOLO
5. LIGHT BLUE
6. BARBARA
7. BASS SOLO
8. CHEROKEE
EC1. AUTUMN LEAVES
EC2. LITTLE WALTZ

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