2015 11.19 thu. - 11.20 fri.
RICHARD GALLIANO & RON CARTER - DUO -
artist RICHARD GALLIANO , RON CARTER
原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO
デュオの達人ふたりが、ついに日本で出会いました。リシャール・ガリアーノとロン・カーターの共演です。
ロンはギター奏者ジム・ホールとの名盤『アローン・トゥゲザー』を筆頭に、ピアニストのシダー・ウォルトン、サックス奏者のヒューストン・パーソン、歌手のヘレン・メリルなどとデュオ作品を残してきました。そしてリシャールも、フランスのクラリネット奏者ミシェル・ポルタル(先ごろ来日したエベーヌ弦楽四重奏のメンバーはポルタルのことを「最も冒険的な即興演奏家のひとり」と言っておりました)、イタリアのクラリネット奏者ガブリエレ・ミラバッシ、フランスのオルガン奏者エディ・ルイス等と、目の覚めるようなデュオ・アルバムを残しています。そんなロンとリシャールがふたりきりで吹き込んだのは1990年のこと。そのアルバム『Panamanhattan』から約四半世紀が経ち、今、ふたりはブルーノート東京のステージに立っています。
「日本でこのデュオで演奏できるとは、本当に嬉しいね。リヴィング・ルームにいるような気持ちで楽しんでほしい」というロンのひとことから、演奏は始まりました。オープニングはロンがピアニストのデューク・ピアソンに捧げた「Blues For D.P.」。ボタン式のアコーディオンからブルージーなフレーズを紡ぎ出すリシャールの姿が新鮮です。演奏は途中、ふたりの無伴奏ソロ・ナンバーもはさみながら快調に進みます。楽器編成ゆえか、静謐でゆったりしたナンバーが多めでしたが、後半では「Cherokee」を超アップ・テンポで演奏。左手で和音をはさみながら、右手で超絶早弾きを披露するリシャールは、まさに"業師"です。続いては'40~'50年代に活躍した伝説的ベース奏者、オスカー・ペティフォードのオリジナルから「Now See How You Are」。ペティフォードはこの曲を、オランダ人のボタン式アコーディオン奏者マット・マシューズと共に演奏していました。それを踏まえての選曲でしょうか。ペティフォードは37歳で亡くなってしまいましたが、ロンは現在78歳です。2倍以上の長さを、ロンは生きているのです。
続いて『Panamanhattan』にも入っていたロンの代表的自作「Little Waltz」が演奏されましたが、それが余韻たっぷりに終わっても拍手は鳴りやみません。そこで飛び出したのが極めつけの「Autumn Leaves」、いや、この日は原題の「Les Feuilles mortes」のほうが、よりこの日の雰囲気にふさわしいものでした。秋の夜長に二人の紳士が織りなす、アコーディオンとベースの優しい重なり。公演は本日も行なわれます。
(原田 2015 11.20)
2015 11.19 THU.
1st | |
---|---|
1. | BLUES FOR D.P. |
2. | GISELLE |
3. | BOM DIA |
4. | ACCORDION SOLO |
5. | LIGHT BLUE |
6. | BARBARA |
7. | BASS SOLO |
8. | CHEROKEE |
9. | NOW SEE HOW YOU ARE |
EC1. | LITTLE WALTZ |
EC2. | AUTUMN LEAVES |
2nd | |
1. | BLUES FOR D.P. |
2. | GISELLE |
3. | BOM DIA |
4. | ACCORDION SOLO |
5. | LIGHT BLUE |
6. | BARBARA |
7. | BASS SOLO |
8. | CHEROKEE |
EC1. | AUTUMN LEAVES |
EC2. | LITTLE WALTZ |