2015 12.23 wed. - 12.25 fri.
Christmas Evening with LALAH HATHAWAY
artist LALAH HATHAWAY
原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO
圧巻の最新作『レイラ・ハサウェイ・ライヴ』の世界が、そのまま目の前で繰り広げられるのです。これを喜びといわず、なんといいましょう。今年の「ブルーノート東京」のクリスマス・シーズンは、歌姫レイラ・ハサウェイが極上のひとときを提供してくれます。
ぼくはもう25年ほど、彼女のライヴを折に触れて見てきましたが、今回ほど心の中で何度も「いいぞ!」と叫んだことはありません。声量は一層豊かになり、しっとり歌う部分と声を張る部分のコントラストは際立つばかり。伝説の父親、ダニー・ハサウェイの「Little Ghetto Boy」や、アニタ・ベイカーが'83年にヒットさせた「Angel」、アンジェラ・ウィンブッシュが書いた初期の代表曲「Baby Don't Cry」、ジョー・サンプルとの共演盤に入っていたバラード「When Your Life Was Low」など選曲は親しみやすさと幅広さを併せ持ち、ギターの逸材アイザイア・シャーキーを含むバック・メンバーにも存分に活躍の場が与えられます。そしてMCには以前からは信じられないほどのユーモアが加わり、風格を感じさせる立ち居振る舞いも強く印象に残りました。2年連続でグラミー賞を受賞したことも、いいヴァイブレーションを与えているのでしょう。とにかく今回のレイラは脂が乗りまくり、心・技・体ともに絶好調という印象を与えてくれました。コーラスの男性二人も、センスの良いキーボード・プレイで光るトニー・カズーも、誰もが笑顔いっぱいのまま、実にリラックスした演唱を聴かせてくれます。
クリスマス・シーズンということで、プログラムはクリスマス関連の楽曲で締めくくられました。鳴りやまない拍手に応え、レイラとアイザイアのふたりが登場し、まずパフォーマンスしたのは、メル・トーメが自作自演し、ナット・キング・コールも歌った「The Christmas Song」。続いてバンド・メンバー全員がステージにあがり、父ダニーの曲「This Christmas」が披露されました。この曲はぼくの最も好きなクリスマス・ソングのひとつなのですが、"まさかこれがレイラの歌声で聴けるとは"と、感激に震えました。
ソウルフルで暖かな音楽に浸りたいと願うファンにとって、レイラのライヴは最高のクリスマス・プレゼントになるように思います。公演は25日まで続きます。乗りに乗る歌姫のステージを、ぜひ!
(原田 2015 12.24)
2015 12.23 WED.
1st & 2nd | |
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1. | BABY DON'T CRY |
2. | LITTLE GHETTO BOY |
3. | SHINE |
4. | ANGEL |
5. | WHEN YOUR LIFE WAS LOW |
6. | FOREVER, FOR ALWAYS, FOR LOVE |
7. | SOMETHING |
8. | LEAN ON ME |
EC1. | THE CHRISTMAS SONG |
EC2. | THIS CHRISTMAS |