1.14 thu., 1.15 fri., 1.16 sat. @Cotton Club / 1.18 mon., 1.19 tue. @Blue Note Tokyo
TUCK & PATTI @COTTON CLUB
artist TUCK & PATTI
原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO
出会ってから37年、一緒にステージに立つようになって34年。ふたりだけで構築される音作りにはさらに磨きがかかり、レパートリーはさらに幅を広げています。ワン&オンリーの夫婦デュオ、タック&パティが今年も来日中です。ブルーノート東京の公演は18日から始まりますが、ぼくはそれに先立ち「コットンクラブ」公演の初日に足を運びました(同所での公演は16日まで)。
この公演は事前にファンから募ったリクエストを基にしたステージ。今まで人前でパフォーマンスしたことのない曲にも取り組むという、一層興味をそそる内容となっていました。ジョージ・ガーシュウィンが作曲した「I Loves You Porgy」、デューク・エリントンの「In A Sentimental Mood」など、ふたりにとっては異色のレパートリーが次々と登場します。後者は半音が多く、しかも音程の跳躍も多い難曲ですが、パティは見事に歌いこなしました。ギターだけの伴奏でこの曲を歌うのがいかに大変なことか、ぼくにもわかります。
「Mr.Bojangles」は、ジェリー・ジェフ・ウォーカーが伝説のタップダンサー、ビル・"ボージャングルズ"・ロビンソンに捧げた曲です。パティはスキャットでタップダンスの動きを見事に表現し、観客からさらに多くの拍手を集めます。ポール・マッカートニーの「Blackbird」と、1920年代に流行したスタンダード・ナンバー「Bye Bye Blackbird」を続けて歌ったのも面白い趣向でした。
その後もファースト・アルバムのタイトル曲である「Tears of Joy」、"夢は叶う"という日本語の歌詞を加えた「Dream」など、ライヴではこのところ聴くことのできなかったナンバーを次々と楽しませてくれました。もちろんタックの超絶技巧をフィーチャーしたソロ・ギターのコーナーもあります。
ぼくはもう十数回、タック&パティのライヴを見てきましたが、新鮮味と意外性という点では今回がダントツでした。今後の公演ではどんなレパートリーが、どんなアレンジで届けられるのか。「必見必聴の夜になる」、そう断言させていただきましょう。
(原田 2016 1.15)
photo by Y.Yoneda
●TUCK & PATTI
2016 1.14 thu., 1.15 fri., 1.16 sat. コットンクラブ
2016 1.18 mon., 1.19 tue. ブルーノート東京
coming soon