2016 1.20 wed., 1.21 thu.
LOU DOILLON
artist LOU DOILLON
原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO
熱狂的な一夜でした。オーディエンスとさらに近づきたいと思うアーティストと、アーティストのことをもっと知りたいと思うオーディエンスの気持ちが一体化して、とてつもなくホットな空間ができあがったといえばいいでしょうか。注目のシンガー・ソングライター、ルー・ドワイヨンの来日公演です。
父親は映画監督のジャック・ドワイヨン、母親は女優/シンガーのジェーン・バーキン。5歳で映画デビューを果たし、2012年にファースト・アルバム『Places』をリリース。今回は、昨年12月に発表されたばかりのセカンド・アルバム『Lay Low』を携えてのステージです。超満員の客席は、いつも以上に国際色豊かで、いかに彼女が幅広い層から視線を集めているかがわかりました。
プログラムは「Good Man」、「Let Me Go」、「Where To Start」など新作からのナンバーを中心に、『Places』からの「Devil or Angel」等も織り交ぜながら進みました。ゴールドのジャケットをスタイリッシュに着こなした彼女は、エレクトリック・ギターとアコースティック・ギターを持ち換えながら、歌い続けます。その声は時にしゃがれたり、かと思えば伸びやかに広がったり。表情豊かな歌唱には、女優としてのキャリアも反映されているのでしょう。スラリとした長身に、独特の形状を持ったエルク社のギターがよく似合います。
「自分の音楽を日本のファンにお届けできるのが本当に嬉しい。一緒に歌ったり、手拍子したり、踊ったり、ウェイブしたり、好きなように楽しんでください」というMCも場内をなごませたのか、それぞれのリスナーが思い思いにルーの世界を感じています。繊細なドラム・プレイでヴォーカルを引き立てたフランク・エムブエケを始めとするバック・メンバーも極上。バラード「Left Behind」では、バンド全員がコーラスでもルーの歌声をサポートします。そしてラスト・ナンバー「Weekender Baby」では場内の明かりが全部つけられた中、ルーと観客のアカペラによる"共演"が実現。ノリノリのファンたちと合唱するときの、彼女の本当に嬉しそうな表情が印象に残りました。
公演は本日まで行なわれます。浮遊感たっぷりのヴォーカルとバンドの絡みは、T・ボーン・バーネットのプロデュース作品のファンにも無条件でお勧めできます。才能豊かなシンガー・ソングライターの世界に、あなたも大きな拍手を送りたくなるはずです。
(原田 2016 1.21)
2016 1.20 WED.
1st | |
---|---|
1. | GOOD MAN |
2. | LET ME GO |
3. | WHERE TO START |
4. | DEVIL OR ANGEL |
5. | DEFIANT |
6. | SO STILL |
7. | JEALOUSY |
8. | WORTH SAYING |
9. | ROBIN MILLER |
10. | I.C.U. |
11. | ABOVE MY HEAD |
12. | ONE DAY AFTER ANOTHER |
13. | NOTHING LEFT |
14. | TICKET LINE |
15. | LAY LOW |
EC1. | LEFT BEHIND |
EC2. | WEEKENDER BABY |