2016 1.26 tue., 1.27 wed., 1.28 thu., 1.29 fri.
ROY HARGROVE QUINTET
artist ROY HARGROVE
原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO
おしゃれなファッション・センスと、カーボンファイバー製のトランペットが実によくマッチしています。人気者、ロイ・ハーグローヴが堂々の来日です。
共演者はジャスティン・ロビンソン(アルト・サックス)、サリヴァン・フォートナー(ピアノ)、アミーン・サリーム(ベース)、ジェレミー・クレモンス(ドラムス)。ジャスティンはロイの1歳上、1968年に生まれました。リズム・セクションはいずれも若手で、サリヴァンは今年で30歳を迎えます。彼ら4人はロイを巧みにサポートしつつも、ソロ・パートでは自由奔放にプレイし、満員の観客から大きな拍手を集めました。ロイはステージのそでにある椅子に座って、彼らのプレイにじっと耳を傾けています。ロイのバンドからはかつてアントニオ・ハート、マーク・ケアリー、ジェラルド・クレイトンらが巣立っていますが、このクインテットもすこぶる充実しており、とくにジェレミーのバスドラは強烈でした。これまでアンディ・ベイ(ホレス・シルヴァーやゲイリー・バーツと共演した男性歌手)、カール・クレイグらと共演、"ソウル・アンダーステイテッド"というジャジー・ヒップ・ホップ・バンドも率いています。
ロイはサリヴァンとのデュオ演奏「Ruby My Dear」でバラード奏者としての円熟を示し、最近とくに力を入れているヴォーカル曲では、ナット・キング・コールも歌った通好みのナンバー「My Personal Possession」やサム・クックの「Soothe Me」が光りました。『ロイ・ハーグローヴ・シングス』のようなアルバムがリリースされることも近いことでしょう。ほか、ハービー・ハンコックのジャズ・ファンク・ナンバー「Actual Proof」の超絶アコースティック・ヴァージョンも聴くことができましたが、これはジャスティン、サリヴァン、ジェレミーのショウケース的な内容でした。
ラスト、ロイとジャスティンは客席を練り歩いて演奏し、バックステージに戻っていきました。ステージではメンバー紹介以外まったくしゃべらず、サングラスを離さないロイですが(デビュー当時は素顔で朗らかにMCをしていたものですが、彼の中でアプローチが変わったのでしょう)、ファンからの熱い声援はしっかり届いていたはずです。40代半ば、男ざかりを迎えているロイの、さらなる活躍を願ってやみません。公演は29日まで続きます。
(原田 2016 1.27)
Photo by Tsuneo Koga
2016 1.26 TUE.
1st | |
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1. | I JUST FOUND OUT ABOUT LOVE |
2. | SLUGGO'S RETURN |
3. | STARMAKER |
4. | MONK'S MOOD ~ ASK ME NOW |
5. | ROOT PRAYER |
6. | BOOK'S BOSSA |
7. | YOU'RE MY EVERYTHING |
8. | THE DEEP END |
9. | STRASBOURG ST. DENIS |
EC. | SOOTHE ME |
2nd | |
1. | CAMARADERIE |
2. | FOR MY NEPHEWS |
3. | A SIMPLE TASK |
4. | RUBY, MY DEAR |
5. | NAIMA'S LOVE SONG |
6. | POCKET TESTIMONY |
7. | MY PERSONAL POSSESSION |
8. | ACTUAL PROOF |
EC. | SOOTHE ME |