2016 4.2 sat., 4.3 sun.
GOGO PENGUIN
artist GOGO PENGUIN
原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO
来日公演が決まった時から、わくわくしていました。どんな新鮮な音を、どのように突き付けてくるのか。一音残さず味わい尽くして、食い尽くしてやろうと思いながら、ぼくはライヴに耳を傾けました。英国マンチェスターからやってきた3人組、ゴーゴー・ペンギンの日本初ライヴです。
メンバーはニック・ブラッカ(ベース)、クリス・アイリングワース(ピアノ)、ロブ・ターナー(ドラムス)の3人。2009年に結成され、2014年リリースのセカンド・アルバム『V2.0』が欧米日で話題を集めました。現ブルーノート・レコード社長のドン・ウォズもこれを聴いて即座に気に入り、さらにヨーロッパに飛んでライヴを聴き、その結果、ゴーゴー・ペンギンはブルーノート・レコードと複数枚契約を締結します。その第1弾が、1月にリリースされたばかりの『マン・メイド・オブジェクト』なのです。ドンがヘッドになってから、ブルーノートは"ジャズの名門"から"かっこいい音楽を幅広く取り扱うレーベル"へと切り替わっています。ポスト・ロック(一部ではアコースティック・エレクトロニカともいわれているようですが)への関わりは、まさに快挙です。
ニックが弾いている楽器は見かけこそウッド・ベースですが、指板の先にはエレクトリック・ベースやエレクトリック・ギターで使われるようなピックアップがはりついています。そして足元にエフェクターがあり、さまざまに変化させた音をアンペグ社の大きめのアンプ('70年代にロン・カーターが使っていたような)から出します。アコースティックとエレクトリックの中間をゆくようなトーンには、なんともいえない粘っこさがあり、弓弾きによるプレイは神秘的ですらありました。クリスのピアノの音色には深い残響がかかっており、ロブはハイハットの左にもバスタムを置き、すさまじい速さで各シンバルやタムを叩きまくりました(シンバルの弓弾きも異彩を放ちました)。1曲の長さはほぼ4~5分のシングル盤サイズで、エンディングはほとんどの場合、唐突にやってきます。ドラムンベースを感じさせるナンバーあり、CDの音飛びをそのまま3人の見事なユニゾンで再現するパートあり、「Initiate」におけるクリスの内部奏法(ピアノに張ってある弦をつまびく)も大きな聴きどころのひとつでした。どこまでも整理された音響が印象的だったアルバムに対し、ライヴはより生々しく、ごつごつした響きで迫ってくるのも魅力です。場内はもちろん超満員、すべての音が消え去った後の客席は、まさしくスタンディング・オベイション状態でした。
ゴーゴー・ペンギンの持つ勢い、サウンドの神秘を、とにかく目の前で味わっていただきたいのです。公演は本日まで開催されます。次回の来日はまだか!と、ぼくはもう気持ちが先走っています。
(原田 2016 4.3)
Photo by Tsuneo Koga
2016 4.2 SAT.
1st | |
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1. | GBFISYSIH |
2. | MURMURATION |
3. | ONE PERCENT |
4. | KAMALOKA |
5. | BREAK |
6. | BRANCHES BREAK |
7. | IN AMBER |
8. | THE LETTER |
9. | FADING : FEIGNING |
10. | INITIATE |
11. | ALL RES |
12. | GDB |
EC. | HOPOPONO |
2nd | |
1. | ALL RES |
2. | UNSPEAKABLE WORLD |
3. | KAMALOKA |
4. | BREAK |
5. | BRANCHES BREAK |
6. | INITIATE |
7. | OCEAN IN A DROP |
8. | HOME |
9. | THE LETTER |
10. | TO DROWN IN YOU |
11. | PROTEST |
EC1. | GDB |
EC2. | HOPOPONO |