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LARRY CARLTON

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原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO


不滅の人気を誇るギター・ヒーロー、ラリー・カールトンが今年も圧倒的なステージを繰り広げています。グラミー賞にも輝いた松本孝弘とのコラボレーション、日野皓正やカリーム・リギンズとのオールスター・ユニット等での来日ライヴも記憶に新しいところですが、レギュラー・バンドによる「ブルーノート東京」公演は2012年以来。新旧のレパートリーを織り交ぜながら、熱演をたっぷり聴かせてくれました。

今回はLAフュージョンの代表格のひとり、ブランドン・フィールズもフィーチャーした5人編成によるステージ。個人的には、彼にはアルト・サックス奏者というイメージがあるのですが、ぼくが見たセットではテナー・サックスを演奏していました。シャッフル・ブルースの「Friday Night Shuffle」は彼のサックスとカールトンのギターが濃厚なグルーヴを届ける一曲。ジャム・セッション風なくつろいだ雰囲気の中で快調にアドリブが続き、ジェシ・ミリナーもオルガンのような音色をシンセサイザーから出してファンキーなプレイを繰り広げました。

"次はオールド・クルセイダーズ・ソングだ"というMCのあとに飛び出したのは「My Mama Told Me So」。ラリーが名をあげるきっかけとなった人気ユニット、ザ・クルセイダーズが1976年に発表したナンバーです。ジョー・サンプル、ウィルトン・フェルダー、ウェイン・ヘンダーソンといったオリジナル・メンバーが相次いで他界し、バンドの再結成は不可能となってしまいましたが、こうして楽曲が演奏され続けているのは素敵なことです。コブシの利いたブランドンのトーン、音を絞り出すようなカールトンの指さばきに、聴きほれてしまいます。

ドゥービー・ブラザーズのカヴァー「Minute by Minute」は、アルバム『ディスカヴァリー』に収められていたヴァージョンよりも、ちょっとテンポを落としてブルース風に演じられました。アルバムに入っていたコーラスも省かれていましたが、その分、カールトンのギターが歌心満載で迫ります。アコースティック・ギターを中心に演奏したアルバム『アローン・バット・ネヴァー・アローン』の冒頭に入っていた「Smiles and Smiles to Go」も、この日はエレクトリック・ギターでメロウかつダンサブルに楽しませてくれました。

オーラスで、「もうこれ以上何をプレイすればいいんだい?」といいながら弾き始めたのは、大定番の「Room 335」。必ず演奏してくれるだろうとわかっていても、いざイントロが聴こえてくると嬉しさ倍増。猛烈な拍手と声援の中、ミュージシャンたちはステージをおりました。公演は25日まで続きます。
(原田 2016 4.22)

Photo by Takuo Sato

SET LIST

2016 4.21 THU.
1st
1. I DON'T KNOW
2. FRIDAY NIGHT SHUFFLE
3. MY MAMA TOLD ME SO
4. OUI OUI SI
5. HIGH STEPPIN'
6. KID GLOVES
7. MINUTE BY MINUTE
8. SMILES AND SMILES TO GO
9. WALK WITH ME
10. BURNABLE
11. BP BLUES
EC. ROOM335
 
2nd
1. I DON'T KNOW
2. FRIDAY NIGHT SHUFFLE
3. MY MAMA TOLD ME SO
4. OUI OUI SI
5. HIGH STEPPIN'
6. ALL IN GOOD TIME
7. MINUTE BY MINUTE
8. SMILES AND SMILES TO GO
9. SONG FOR KATIE
10. THE LORD'S PRAYER
11. BURNABLE
EC. ROOM335

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