2016 4.27 wed., 4.28 thu., 4.29 fri.
JESSE HARRIS & PETRA HADEN
artist JESSE HARRIS , PETRA HADEN
原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO
とくにフォーク・ロック、カントリー、アメリカーナのファンは必聴必見といえましょう。共演CD『Seemed Like A Good Idea』が発売されたばかりのふたり、ジェシ・ハリスとペトラ・ヘイデンの日本における初めての共演ステージが昨日から始まっています。先行公開されたミュージック・ビデオ「Sometimes You Have To Choose Sides」も好評。この公演はミュージシャン間でも話題を呼んでいて、藤原さくら、原田知世、おおはた雄一、中村まり、畠山美由紀が期待のコメントを寄せています(https://www.bluenote.co.jp/jp/news/features/7351/)。
ヴァイオリンとヴォーカルを担当するペトラはザット・ドッグの元メンバーで、ベック、フー・ファイターズ、グリーン・デイらとの共演経験もあります。父親はオーネット・コールマンやパット・メセニーと共演した伝説的ジャズ・ベース奏者のチャーリー・ヘイデン(2014年逝去)です。アコースティック・ギターと、曲によってリード・ヴォーカルを受け持ったジェシ・ハリスは「21世紀に登場した最も偉大なシンガー・ソングライターのひとり」との声も高い才人。ジョン・ゾーンからヴィニシウス・カントゥアリア、メロディ・ガルドーなど、多数のアーティストとコラボレーションを繰り広げています。
プログラムの前半は『Seemed Like A Good Idea』からのナンバーが中心。ジェシが書いた親しみやすいメロディ・ライン、ペトラの伸びやかな歌声、ヴォーカルを引き立てることに全精力を注いでいるような音楽家のアプローチが一体となって、なんともいえず心安らぐ世界へと案内してくれます。CDではペトラの"一人多重コーラス"も楽しめましたが、今回はライヴなので、そういうスタジオ・ワークもありません。より生々しく、リアルに奏者の息吹が伝わってきます。ビーチ・ボーイズの「Surfer Girl」を思いっきりスロー・テンポで解釈したり、映画「007シリーズ」からの「You Only Live Twice」をスキャット交じりで聴かせてくれたり、ペトラが様々なトラックを歌いこなした後、ジェシは「Don't Know Why」をしっとりと自作自演。ノラ・ジョーンズが世界的な大ヒットに導いて以降、女性シンガーによるカヴァー・ヴァージョンが数多く登場していますが、ジェシのハスキー気味のテナー・ヴォイスで歌われるこの曲にも、格別な魅力があります。
眼を閉じてふたりの息の合った歌声に浸っているうちに、ぼくはN.Y.グリニッチ・ヴィレッジの昼下がりのカフェにいるような気分を味わいました。アルバムを聴いてからライヴに来たファンは、CDよりもさらに"こなれた"演唱に酔うことができるでしょうし、ライヴを先に味わった方はアルバムが欲しくなるのではと思います。この暖かく素敵な時間は、29日まで続きます。
(原田 2016 4.28)
Photo by Yuka Yamaji
2016 4.27 WED.
1st | |
---|---|
1. | IT WAS INNOCENT |
2. | GONE AS THOSE DAYS |
3. | EITHER WAY |
4. | SOMEWHERE DOWN THE ROAD |
5. | SEEMED LIKE A GOOD IDEA |
6. | SOMETIMES YOU HAVE TO CHOOSE SIDES |
7. | NOTHING'S GONE BUT THE NIGHT |
8. | TELL ME WHAT I'M SUPPOSED TO DO |
9. | SURFER GIRL |
10. | EVERYBODY THINKS YOU'RE A MOVIE STAR |
11. | YOU ONLY LIVE TWICE |
12. | DON'T KNOW WHY |
13. | THE SHADOW OF YOUR SMILE |
14. | MOON RIVER |
15. | CATCH THE ASH |
16. | YOU AND ME |
17. | ALWAYS SEEM TO GET THINGS WRONG |
18. | NO WRONG NO RIGHT |
19. | MIYAZAKI |
20. | FOOL'S PARADISE |
21. | ALL THE LEAVES |
EC. | HOW COULD I HAVE KNOWN? |
2nd | |
1. | IT WAS INNOCENT |
2. | GONE AS THOSE DAYS |
3. | EITHER WAY |
4. | SOMEWHERE DOWN THE ROAD |
5. | SEEMED LIKE A GOOD IDEA |
6. | SOMETIMES YOU HAVE TO CHOOSE SIDES |
7. | NOTHING'S GONE BUT THE NIGHT |
8. | TELL ME WHAT I'M SUPPOSED TO DO |
9. | EVERYBODY THINKS YOU'RE A MOVIE STAR |
10. | YOU ONLY LIVE TWICE |
11. | DON'T KNOW WHY |
12. | THE SHADOW OF YOUR SMILE |
13. | MOON RIVER |
14. | CATCH THE ASH |
15. | ALWAYS SEEM TO GET THINGS WRONG |
16. | NO WRONG NO RIGHT |
17. | MIYAZAKI |
18. | FOOL'S PARADISE |
19. | ALL THE LEAVES |
20. | YOU AND ME |
EC. | HOW COULD I HAVE KNOWN? |