2016 4.30 sat.
Celebrate "International Jazz Day" with BLUE NOTE TOKYO ALL-STAR JAZZ ORCHESTRA directed by ERIC MIYASHIRO with special guest BENNY GOLSON、LISA ONO & ASAKO TOKI
artist BENNY GOLSON , BLUE NOTE TOKYO ALL JAZZ ORCHESTRA
原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO
4月30日はユネスコが制定した"インターナショナル・ジャズ・デイ"です。もっともっとジャズに親しんでもらおうと、千代田区ワテラスでは28日から30日にかけて連動イベント「JAZZ AUDITORIA 2016 in WATERRAS」が開催されていましたが、ブルーノート東京でもこの30日、ジャズ・デイを祝うスペシャル・ライヴが行なわれました。日本屈指の凄腕が揃ったブルーノート東京オールスター・ジャズ・オーケストラ directed by エリック・ミヤシロと、スペシャル・ゲストたちによる華やかな共演ステージです。
オーケストラはこの日の午後、「JAZZ AUDITORIA」で熱演を繰り広げました。そして夜、ブルーノート東京のバンドスタンドに立ったのです。ステージはまず、ゲスト抜きの演奏から始まりました。テーマ・ソングである「Trains」、そして昨年9月開催の「Blue Note JAZZ FESTIVAL in JAPAN 2015」では作曲者のパット・メセニーとのコラボレーションで演奏された「Song For Bilbao」です。リード・トロンボーンは村田陽一が担当、トランペッターはスタン・ケントン楽団ばりに5人もいます(エリックを入れると6人)。ボリュームもダイナミクスも豊かな、ビッグ・バンドならではの楽しみが広がります。「Song For Bilbao」の途中で、岡崎正典のテナー・サックスと、マーチング風のリズムを打ち出す岩瀬立飛のドラムスが演じるデュオ・パートは手に汗握る迫力でした。
続いて最初のスペシャル・ゲスト、土岐麻子の登場です。父親は"チキンシャック"等で活躍する名サックス奏者、土岐英史。シンバルズを経てソロ歌手として活動し、Negiccoの新曲「矛盾、はじめました。」では作詞家としての才能も発揮しています。彼女が手がけたのは「Sir Duke」、初めて歌うという「All Of Me」、「Smile」の3曲。「Smile」は選曲の打ち合わせの時、彼女とエリック双方のフェイヴァリット・ナンバーだということがわかり、とりあげることにしたのだそうです。「Smile」はエリックのアレンジの妙もあって、14本の管楽器と土岐の歌声が見事にブレンドした、実に聴きごたえのあるパフォーマンスでした。
次に迎えられたのは、小野リサです(5月6日からブルーノート東京で単独公演)。ベニー・グッドマン楽団等が演奏した「Goody Goody」をサンバ・タッチで聴かせ(佐野聡が、トロンボーンをハーモニカに持ち替えて快演しました)、続くボサノヴァ・メドレーで会場から手拍子を引き出します。そしてこの日最後のゲストとして登場したのは、1950年代から第一線で活動するテナー・サックス奏者、ベニー・ゴルソン。卓越した作編曲家であり、ディジー・ガレスピーのオーケストラで腕を磨いたこともあります。自らもオーケストラを率いたアルバムを残していますが、日本のオーケストラと共演するのは、ぼくの記憶する限り80年代に"原信夫とシャープス&フラッツ"のコンサートに参加して以来かもしれません。「Whisper Not」、そしてクインシー・ジョーンズ楽団もカヴァーしている「Killer Joe」で、枯淡の境地を味わわせてくれました。ゴルソンは昨日から5月5日まで、自身のグループでブルーノート東京に登場しています。
続く「The Girl From Ipanema」では、ついに3者が共演。小野リサがポルトガル語、土岐麻子が英語で歌い、ゴルソンが間奏を吹くという異色すぎるコラボレーションが実現しました。5月15日にはシンガポールで演奏することも決定したブルーノート東京オールスター・ジャズ・オーケストラ directed by エリック・ミヤシロ(土岐麻子もゲストで参加)。インターナショナル・ジャズ・デイのいっそうの発展、彼らジャズ・アンバサダーのさらなる活躍を願ってやみません。
(原田 2016 5.2)
Photo by Yuka Yamaji
●Super Japan Japanese Festival of Arts
Blue Note Tokyo All-Star Jazz Orchestra
Celebrating Yamaha Music Asia's 50th Anniversary
2016 5.15 sun. Esplanade / Concert Hall
2016 4.30 SAT.
1. | TRAINS |
---|---|
2. | SONG FOR BILBAO |
3. | SIR DUKE |
4. | ALL OF ME |
5. | SMILE |
6. | GOODY GOODY |
7. | BRAZILIAN MEDLEY (MAS QUE NADA ~ O PATO ~ ONE NOTE SAMBA ~ SO DANÇO SAMBA) |
8. | WHISPER NOT |
9. | KILLER JOE |
10. | THE GIRL FROM IPANEMA |
EC. | DOMINGO |