2016 6.16 thu., 6.17 fri., 6.18 sat.
HUMAN ELEMENT featuring MATTHEW GARRISON, SCOTT KINSEY, GARY NOVAK & ARTO TUNÇBOYACIYAN
artist HUMAN ELEMENT , MATTHEW GARRISON
原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO
「我々が取り組んでいるのは、国籍も信仰も超えたトゥモロウ・ミュージックなんだ」。
パーカッション奏者のアルト・トゥンクボヤシアンはこう語ります。超絶ユニット、ヒューマン・エレメントがついにブルーノート東京に初登場です。シンセサイザーは、"トライバル・テック"の一員でジョー・ザヴィヌルの愛弟子との声も高いスコット・キンゼイが担当。エレクトリック・ベースのマシュー・ギャリソンはザヴィヌルやジョン・マクラフリンのバンドを経て、現在はジャック・ディジョネットのグループでも演奏しています(父親は伝説のウッド・ベース奏者、ジミー・ギャリソン)。ドラムスのゲイリー・ノヴァクは、ピアニストのラリー・ノヴァクを父に持つサラブレッドで、チック・コリア・エレクトリック・バンドに参加して(デイヴ・ウェックルの後任)脚光を浴びました。そしてグループ最年長のアルトは'80年代初頭に母国トルコからアメリカ・ニューヨークに移住。ザヴィヌル、ウェイン・ショーター、アル・ディメオラなど数々のミュージシャンに重用されてきました。スコットとシューはコンビを組んでたびたび来日していますが、この4人が揃ったところを東京にいながらにして見ることができるのは格別の喜びです。
スコットが音楽的なイニシアティヴを握っているので、エレクトリック楽器を多用したハイテクニックな音作りが中心になるのはもっともなところですが、サウンドは実に幅広いです。
技巧の限りを尽くすようなナンバーから"スペイシー"という言葉を使いたくなるようなものまで、多彩な演目ノンストップでメドレーのように奏でられると、深い音の渦の中に飲み込まれていくような気分になります。大きめのバスドラを用いたゲイリーのドラムは重量感にあふれ、アルトの両手は休みなく動いてリズムの大波小波を生み出します。ゲイリー以外の3人が歌い(ほとんどの場合、そこにはエフェクトがかけられています)、ヴォイス+エレクトリック+ポリリズムが一体となって聴き手に押し寄せてくるのです。
ザヴィヌルが亡くなって来年で10年、いまいちど彼の功績を胸に4人のライヴを楽しむのもいいでしょうし、ディメオラの"ワールド・シンフォニア"やマクラフリンの"フォース・ディメンション"のファンにもお勧めです。公演は18日まで続きます。
(原田 2016 6.16)
Photo by Tsuneo Koga
2016 6.16 THU.
1st | |
---|---|
1. | ARTO CYMBALS |
2. | SPEAK WITH YOUR EYE |
3. | SHAKE IT! |
4. | SEE WITH YOUR EAR |
5. | IZZY |
6. | LABYLINTHS |
7. | CRAZY GIRL | EC. | NEAR LIFE EXPERIENCE |
2nd | |
1. | ARTO CYMBALS |
2. | HI LAO |
3. | SHAKE IT! |
4. | NEAR LIFE EXPERIENCE |
5. | BURBANK BOULEVARD |
6. | THINK ABOUT IT |
7. | BOTTOM OF THE MIRROR |
EC. | VIOLET BLUE |