2016 7.1 fri., 7.2 sat., 7.3 sun., 7.4 mon.
SADAO WATANABE with GILAD HEKSELMAN, BEN WILLIAMS & ULYSSES OWENS Jr.
artist SADAO WATANABE
原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO
重鎮ピアニスト、ケニー・バロンを迎えた公演からちょうど1年。渡辺貞夫がジャズの楽しさと奥深さを、今年も「ブルーノート東京」に響かせています。
今回の共演メンバーは、渡辺の近作『カム・トゥデイ』『イントゥ・トゥモロー』にも加わっているベン・ウィリアムス(ベース、1984年生まれ)、"ニュー・センチュリー・ジャズ・クインテット"で東京JAZZに出演経験があるユリシーズ・オウエンスJr.(ドラムス、1982年生まれ)、そしてイスラエル出身の逸材ギラッド・ヘクセルマン(ギター、1983年生まれ)です。ギラッドとは今回が初顔合わせ。渡辺はCDを聴いてすっかり惚れ込んでしまい、共演のオファーを出したそうです。
オープニングは1985年にリリースされたアルバム、『Tokyo Dating』のタイトル曲。つまりバックの3人が生まれた頃に発表されたナンバーということになります。が、全員の息は早くもぴったりです。豊かな生音を響かせる渡辺のアルト・サックス、深いリヴァーブのかかった音色でコードや単音に個性を発揮するギラッド、躍動的なベース・ラインを奏でるベン、繊細なシンバル・ワークでサウンドをひきしめるユリシーズが、心地よいスウィング感を提供します。「Episode」は、1976年の名盤『アイム・オールド・ファッション』に収められていたナンバー。そこではフルートによる熱演を聴くことができましたが、今日はアルト・サックスでのパフォーマンスです。芸術に年齢の話を持ち込むのは野暮ですが、83歳の奏者が吹いているとは思えない瑞々しいトーンに、耳が釘付けになります。
「Lopin'」は、渡辺貞夫が最も影響を受けたアルト・サックス奏者の一人で、かけがえのない親友でもあった故チャーリー・マリアーノが書いたファンキーな楽曲。2005年に録音された二人の共演盤『Sadao & Charlie Again』に入っていたナンバーですが(ピアノはボブ・ディーゲン)、今回はピアノのかわりにギターが入っているためか、よりインティメット(親密な)印象を受けました。
ラスト・パートは、熊本地震の被災地や被災者の復興への思いを込めた「花は咲く」。渡辺はメロディをまったくといっていいほど崩さずにストレートに吹きますが、そこにギラッドが洒落たハーモニーをつけることで、聴きごたえのあるジャズに仕上がりました。4人は、この曲のリフレインからごく自然に、チャーリー・チャップリン作「Smile」へと続けていきます。親しみやすいメロディと心地よいリズムは、会場を埋め尽くしたオーディエンス全員に"スマイル"をもたらしたことでしょう。会心のライヴは4日まで続きます。
(原田 2016 7.1)
2016 7.1 FRI.
1st | |
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1. | TOKYO DATING |
2. | PLUM ISLAND |
3. | BUTTERFLY |
4. | EPISODE |
5. | DEEP IN A DREAM |
6. | LOPIN' |
7. | SONG OF MAY | 8. | LIFE IS ALL LIKE THAT | EC1. | HANA WA SAKU | EC2. | SMILE |
2nd | |
1. | WARM DAYS AHEAD |
2. | TREE TOPS |
3. | I MISS YOU WHEN I THINK OF YOU |
4. | MOOSE THE MOOCHE |
5. | MY FOOLISH HEART |
6. | SIMPATICO |
7. | CHEGA DE SAUDAGE |
8. | LIFE IS ALL LIKE THAT |
EC1. | HANA WA SAKU |
EC2. | SMILE |
EC3. | YOU BETTER GO NOW |