LIVE REPORTS

ARTIST ARCHIVES

MONTHLY ARCHIVE

VIDEO ARCHIVES


FELIX CAVALIERE'S RASCALS -Celebrating 50 Years of Music- @COTTON CLUB

artist FELIX CAVALIERE

REPORT

原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO


"キング・オブ・ブルー・アイド・ソウル"ことフェリックス・キャヴァリエがただ今、来日中です。「ブルーノート東京」公演は28日から始まりますが、ぼくはそれに先駆けて26日に「コットンクラブ」で行なわれたライヴを見てきました。ヤング・ラスカルズ→ザ・ラスカルズ→フェリックス・キャヴァリエズ・ラスカルズとグループ名が代わり、メンバーが入れ替わっても、魂のこもった歌声と鍵盤さばきは変わることがありません。しかも今年はヤング・ラスカルズの代表曲「Good Lovin'」がNo.1ヒットに輝いてから、ちょうど50年。何度も来日しているフェリックスですが、今回のプログラムほど名曲・有名曲・ヒット曲・大定番で占められたことはなかったように思います。まさしくベスト・オブ・ベストな楽曲で構成された一夜なのです。

背後のスクリーンに'60年代の人気テレビ番組「エド・サリヴァン・ショウ」にザ・ラスカルズで出演した時のフッテージが映し出されるなか、フェリックス・キャヴァリエズ・ラスカルズのメンバーがバンドスタンドに登場します。御大は真ん中前方に位置し、ハモンドB-3オルガンとシンセサイザーを弾きながら歌います。オープニングはウィルソン・ピケットの大ヒット曲「In the Midnight Hour」。今は亡きR&Bレジェンドに敬意を示した後は、「A Girl Like You」、「Beautiful Morning」と、乗りの良さと美しい旋律を兼ね備えた代表曲が続きます。「Love is a Beautiful Thing」ではフェリックスと、もうひとりのキーボード奏者であるペリー・バートンが息の合ったデュエット・ヴォーカルを演じ、「Eat Out My Heart」ではドラマーのヴィンス・サントロがリード・ヴォーカルをとりました。このバンドは全員、演奏しながら歌います。フェリックスの熱唱のうしろにもたっぷり、厚みのあるコーラスがフィーチャーされていて、ぼくはその部分が来るごとに大きく興奮しました。

ヤング・ラスカルズ時代の、もうひとつのビッグ・ヒット「Groovin'」は、雰囲気の似ている「My Girl」や「Just My Imagination」(いずれもテンプテーションズの歌で流行しました)を挿入しながらのパフォーマンス。オーディエンスの拍手も一段と高まります。矢野顕子も「ブルーノート東京」公演でたびたび歌っている「People Got to Be Free」(フェリックスにとって3曲目の全米No.1)の自作自演も、しっかり聴かせてくれました。スクリーンには凶弾に倒れたキング牧師やロバート・ケネディの姿が映し出されます。"自由であることこそ、人間本来の姿なんだ。互いを思い合うようになれたら、この世はどんなに素晴らしくなるだろう"というフェリックスのメッセージは、リリースから48年を経た現在もまったく重みを失っていません。オーラスの「Good Lovin'」は"みんな、どんどん歌ってくれ"という前振りから始まりました。ジ・オリンピックスというアフリカ系アメリカ人ヴォーカル・グループが最初に歌った曲ですが、ヤング・ラスカルズはラテン風の味付けを強調し、さらにテンポを速めて再生しました。それから50年を経た現在、この曲は文字通りフェリックスの血肉となって世界のオーディエンスを沸かせ続けています。

「ブルーノート東京」でもフェリックスたちは、この究極のセレクションで熱演を届けてくれることでしょう。ブルー・アイド・ソウルよ、永遠なれ!
(原田 2016 7.27)

Photo by Y.Yoneda

SET LIST

coming soon

INDEX