8.23 tue., 8.24 wed. @Blue Note Tokyo / 8.26 fri., 8.27 sat. @Cotton Club
KENNY GARRETT
artist KENNY GARRETT
原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO
大の親日家としても知られるサックス奏者、ケニー・ギャレットが先月リリースされたばかりの最新作『ドゥ・ユア・ダンス』を携えて来日中です。共演者はヴァーネル・ブラウン(ピアノ)、コーコラン・ホルト(ベース)、ルディ・バード(パーカッション)という不動の顔ぶれに、元イエロージャケッツのマーカス・ベイラー(ドラムス)。ギャレットのバンドには再加入となるベイラーがバンドに新たな魅力を付け加えています。3つのスネア・ドラムを駆使しての叩きっぷりは、まるでずっとドラム・ソロを続けているかのよう。その縦横無尽のプレイが、ルディの操るパーカッション(ざっと見たところ、ティンバレス、ドラ、カウベル、ウッドブロック、バター、コンガ、ボンゴ、カホン、タンバリンなどがありました。世界の打楽器祭りといった感じです)と絡み合い、熱狂的なポリリズムを生みだします。
オープニングから約40分間、いわゆるモード・ジャズ(モダン・ジャズの一種)を基調にした演奏が続きます。1960年代半ば、マッコイ・タイナーがいた頃のジョン・コルトレーン・カルテットの音作りから、過剰な重量感を取り除いたようなサウンドといえばいいでしょうか。ルディとコーコランは演奏しながらお経のようなヴォイスを入れ、途中、ギャレットはコルトレーンの当たり曲「My Favorite Things」の一節をソプラノ・サックスで吹きます。さまざまなタイプの音楽に取り組んできたギャレットですが、彼のルーツにはこうした古典的なジャズ・フォーマットがあるのでしょう。続いては、少なくとも日本でのライヴでは恒例化しているアジアン・メドレー。ピアノとのデュオで「赤とんぼ」、「アリラン」、「翼をください」、「荒城の月」を聴かせてくれました。バンドスタンドの端に立ち、ソプラノ・サックスを突き出すようにして生音を響かせるギャレット。観客は静かに聴き入っています。
が、次からは再びエキサイティングなプレイが続きます。新作のタイトル曲「Do Your Dance」は、文字通りダンサブルなナンバー。ギャレットは股の間にアルト・サックスを挟み、両手をあげてオーディエンスへの手拍子を募り、かと思えばラップ調のヴォーカルも聴かせます。そしてエンディングは、大定番の「Happy People」。リフレインを何度も何度も繰り返しながら、客席を盛り上げていきます。サックス奏者として、バンド・リーダーとして、エンターテイナーとして、ギャレットは駆け付けたすべてのファンを満足させることでしょう。公演は本日までブルーノート東京、26日と27日にはコットンクラブで行なわれます。
(原田 2016 8.24)
2016 8.23 TUE.
1st | |
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1. | HAYNES HERE |
2. | PUSHING THE WORLD AWAY |
3. | ASIAN MEDLEY |
4. | DO YOUR DANCE! |
5. | HAPPY PEOPLE |
2nd | |
1. | HAYNES HERE |
2. | J. MAC |
3. | BOOGETY BOOGETY |
4. | J'OUVERT (HOMAGE TO SONNY ROLLINS) |
5. | DO YOUR DANCE! |
6. | HAPPY PEOPLE |
EC. | WAYNE'S THANG |