2016 9.4 sun., 9.5 mon.
PAT METHENY & CHRISTIAN McBRIDE
artist CHRISTIAN McBRIDE , PAT METHENY
原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO
当代最高峰のギタリストとベーシストによる"音の対話"が今、東京に鳴り響いています。パット・メセニーとクリスチャン・マクブライドのデュオです。パットは5月に新ユニットで来日したばかりですが、こんな短期間で戻ってきてくれるとは、嬉しすぎます。
「クリスチャンが17歳の時に初めて知り合ったんだ。当時の彼はフレディ・ハバードのバンドに在籍していたね」と、パットは冒頭のMCで振り返ります。パットとクリスチャンの共演は'90年代初めから本格化し、ジョシュア・レッドマン『Wish』、ロイ・ヘインズ『Te Vou!』、そしてパットのリーダー作『Day Trip』、『Tokyo Day Trip』などで息の合ったところを聴かせてくれました(2003年にはマイケル・ブレッカー、アントニオ・サンチェスとのカルテットでドイツのジャズ祭などに出ています)。2015年9月には、米国ニュージャージーで「ワン・オン・ワン」と題されたデュオ・コンサートを開催。今回の公演は、その来日ヴァージョンといっていいでしょう。
ふたりのソロ・ナンバーはなく、全曲がデュオによるパフォーマンス。クリスチャンはアコースティック・ベースに専念し(弓弾きもたっぷり聴かせてくれました)、パットはエレクトリックとアコースティック(ナイロン弦とスチール弦を各1台)を使い分けます。オープニング以外、MCはなし。驚異的な集中力に貫かれた演奏が、ひたすら続きます。「Bright Size Life」を快調に仕上げた後は、ルイス・ボンファ作「The Gentle Rain」をしっとり奏で、オーネット・コールマン作のブルース・ナンバー「Turnaround」でアドリブの応酬を繰り広げます。どれひとつとして同じタイプの演目がなく、静謐なバラードからワルツ、ボッサ、踊り出したくなるようなファンキーな曲まで、ふたりの幅広い音楽性をフルに発揮したプログラムに酔わされました。クリスチャンの雄弁なソロの背後に響くパットのコード(和音)も大きな聴きどころでしたし、シンプルに徹した照明も音楽の内容ととてもよく合っていました。
公演は本日まで、今後この至高のデュオが日本で楽しめるかどうかは誰にもわかりません。またクリスチャンは6日と7日に「コットンクラブ」に自身のトリオで登場します。共演者はピアノのクリスチャン・サンズ(教育者としても敬愛されたピアニスト、故ドクター・ビリー・テイラーの愛弟子)と、ドラムスのジェローム・ジェニングス(故ハンク・ジョーンズやソニー・ロリンズのバンドに在籍)。こちらではベース、ピアノ、ドラムスによるスウィンギーなモダン・ジャズが聴けるはずです。
(原田 2016 9.5)
Photo by Takuo Sato
2016 9.4 SUN.
1st | |
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1. | BRIGHT SIZE LIFE |
2. | GENTLE RAIN |
3. | SOFT WINDS |
4. | HERE'S THAT RAINY DAY |
5. | QUESTION & ANSWER |
6. | JAMES |
7. | ALWAYS & FOREVER |
8. | LITTLE SUNFLOWER |
EC. | WHEN NIGHT TURNS INTO DAY |
2nd | |
1. | BRIGHT SIZE LIFE |
2. | GENTLE RAIN |
3. | WHEN WE WERE FREE |
4. | BLUE IN GREEN |
5. | NEVER TOO FAR AWAY |
6. | TURNAROUND |
7. | ALWAYS & FOREVER |
8. | DOUBLE GUATEMALA |
EC. | WHEN NIGHT TURNS INTO DAY |