2016 10.3 mon., 10.4 tue.
BUGGE WESSELTOFT'S "New Conception of Jazz" 2016 Edition
artist BUGGE , BUGGE WESSELTOFT
原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO
ノルウェーの鬼才キーボード奏者が、またしても新境地を開いています。ブッゲ・ヴェッセルトフトのプロジェクト"ニュー・コンセプション・オブ・ジャズ"、2016年エディションです。
ブッゲがアルバム『ニュー・コンセプション・オブ・ジャズ』をリリースしてから、もう20年が経ちます。抽象的なところとダンサブルなところがまざりあい、ポップなところとアグレッシヴなところが絶妙に融合したサウンドに惹かれたぼくは、当時司会をつとめていたPCM放送のラジオ番組で紹介し、伝説のピアノ奏者ビル・エヴァンスのファースト・アルバム『ニュー・ジャズ・コンセプションズ』(1956年)を彷彿とさせる表題にニヤリとしながら、"ブッゲは今後のジャズのかじ取りを担っていくひとりになるだろう"と確信しました。
そのブッゲが、最新のニュー・コンセプション・オブ・ジャズを東京に轟かせているのです。彼はステージ上手側に位置し、アコースティック・ピアノ、複数のキーボード、コンピューター等に囲まれて動き回ります。他のミュージシャン4人はいずれも女性。主な担当楽器はそれぞれテナー・サックス、ギター、ドラムス、タブラ(インドの打楽器)です。それぞれの音はブッゲによって電気的に加工されることがあります。ベースは入っていませんが、タブラの重厚な低音やブッゲの鍵盤さばきがそれを補います。
プログラムは、2001年のアルバム『Moving』に入っていた「Yellow Is The Colour」の激越なニュー・アレンジから幕をあけました。7トラックほど演奏されたのではないかと思いますが、ほぼ曲間がないこと、タブラが強烈な響きを立てていることもあり、まるでひとつの壮大な組曲を聴いているような気持ちになります。ハンマリング奏法を駆使したオドゥルン・リリア・ヨンストティルのギター・ソロの後に突如打ち込みビートが入り、ドラマーのシヴ・ウン・ジェンスタが英語で歌う「Zanzibar」や、サンシュリィティ・シュレッサのサンスクリット語によるタブラの叩き語りとブッゲのエレクトリック・ピアノが丁々発止を繰り広げるパートは特に印象に残りました。また今回の公演では、フリチョフ・ヴェッセルトフト(男性)がVJとして同行、カラフルな映像をスクリーンに投影し、"ニュー・コンセプションズ・オブ・ジャズ"の世界をさらに薫り高いものにしています。
見ても聴いても刺激的な当公演は、本日まで開催です。あなたの"ジャズ観"に、思いっきり揺さぶりをかけてください!
(原田 2016 10.4)
Photo by Makoto Ebi
2016 10.3 MON.
1st | |
---|---|
1. | YELLOW IS THE COLOUR |
2. | 100&40 |
3. | YOU MIGHT SAY |
4. | ZANZIBAR |
5. | L.E.T.S. |
6. | EXISTENCE |
EC. | NEW CONCEPTION OF JAZZ |
2nd | |
1. | YELLOW IS THE COLOUR |
2. | 100&40 |
3. | YOU MIGHT SAY |
4. | ZANZIBAR |
5. | EXISTENCE |
EC. | THINK AHEAD |