2016 10.12 wed., 10.13 thu. @Blue Note Tokyo / 2016 10.14 fri. @Cotton Club
JOSHUA REDMAN / BRAD MEHLDAU Duo
artist BRAD MEHLDAU , JOSHUA REDMAN
原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO
話題沸騰のデビューから四半世紀、いまやジャズ界で不動の地位を誇るジョシュア・レッドマンとブラッド・メルドーが、デュオとしては初めての来日公演を開催しています。
ジョシュアがファースト・アルバム『ジョシュア・レッドマン』を出したのは1993年のこと。ブラッドとの共演も同年から始まり、翌年リリースされたサード・アルバム『ムードスウィング』にはジョシュア、ブラッド、クリスチャン・マクブライド(ベース)、ブライアン・ブレイド(ドラムス)というメンバーが集まりました。誰もが現代ジャズ界の主要勢力ですが、'90年代当時は"期待の新人"の集まりでした。このカルテットは1年ほどしか続かなかったと記憶しています。バンドを脱退したブラッドは'95年にメジャー・デビュー作『イントロデューシング・ブラッド・メルドー』を出し、翌年から自身のユニットによる"アート・オブ・ザ・トリオ"の連作にとりかかります。しかしジョシュアとブラッドは折を見て再会し、2013年の『ウォーキング・シャドウズ』など、いくつもの美しい成果を残しているのです。
今回のライヴは、先ほどリリースされたデュオ・アルバム『ニアネス』のジャパン・ツアーという位置づけです。この作品は2011年に行なわれた複数の会場でのライヴ演奏で構成されています。つまり吹き込みからリリースまでに5年の歳月が流れているということになります。ステージにいるのは、いま現在、2016年10月を生きるジョシュアとブラッドです。
叙情的な「Always August」から、ふたりの"語らい"は始まりました。柔らかなトーンでソプラノ・サックスを奏でるジョシュアは、"歌いあげる"という表現がぴったり。彼が吹いていないパートは、当然ながらブラッドのピアノ独奏なのですが、これがまた圧巻なのです。両手を目まぐるしく動かし、ときに腕を交差させながら、思いっきりダイナミクス(強弱)を生かして、時に流麗に、ときに打楽器的にフレーズを奏でます。5拍子(だと思います)の「Mehlsancholy Mode」では、テナー・サックスに持ち替えたジョシュアが渾身のプレイを繰り広げます。彼はデビューの頃から、よくテナー・サックスとは信じがたいほどのハイノート(超高音)を出していましたが、ここでもそれをガンガン挿入しながら、時折ギターのチョーキングのように音をベンドさせてアドリブをとります。2人のオリジナル曲だけではなく、スタンダード・ナンバー「My Ideal」や、モダン・ジャズの古典であるセロニアス・モンク作「Let's Call This」やマイルス・デイヴィス作「The Serpent's Tooth」を取り上げていたのも内容にバラエティを加えていました。
公演は本日まで「ブルーノート東京」、14日は「コットンクラブ」で行なわれます。
(原田 2016 10.13)
Photo by Takuo Sato
2016 10.12 WED.
1st | |
---|---|
1. | ALWAYS AUGUST |
2. | MEHLSANCHOLY MODE |
3. | LET'S CALL THIS |
4. | UNTITLED |
5. | MY IDEAL |
6. | THE SERPENT'S TOOTH |
2nd | |
1. | JEDEDIAH |
2. | HIGH COURT JIG |
3. | I REMEMBER YOU |
4. | THE DISTANCE |
5. | THE NEARNESS OF YOU |
6. | ORNITHOLOGY |
EC. | OLD WEST |