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JOSHUA REDMAN / BRAD MEHLDAU Duo

artist BRAD MEHLDAU , JOSHUA REDMAN

REPORT

原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO


話題沸騰のデビューから四半世紀、いまやジャズ界で不動の地位を誇るジョシュア・レッドマンとブラッド・メルドーが、デュオとしては初めての来日公演を開催しています。

ジョシュアがファースト・アルバム『ジョシュア・レッドマン』を出したのは1993年のこと。ブラッドとの共演も同年から始まり、翌年リリースされたサード・アルバム『ムードスウィング』にはジョシュア、ブラッド、クリスチャン・マクブライド(ベース)、ブライアン・ブレイド(ドラムス)というメンバーが集まりました。誰もが現代ジャズ界の主要勢力ですが、'90年代当時は"期待の新人"の集まりでした。このカルテットは1年ほどしか続かなかったと記憶しています。バンドを脱退したブラッドは'95年にメジャー・デビュー作『イントロデューシング・ブラッド・メルドー』を出し、翌年から自身のユニットによる"アート・オブ・ザ・トリオ"の連作にとりかかります。しかしジョシュアとブラッドは折を見て再会し、2013年の『ウォーキング・シャドウズ』など、いくつもの美しい成果を残しているのです。

今回のライヴは、先ほどリリースされたデュオ・アルバム『ニアネス』のジャパン・ツアーという位置づけです。この作品は2011年に行なわれた複数の会場でのライヴ演奏で構成されています。つまり吹き込みからリリースまでに5年の歳月が流れているということになります。ステージにいるのは、いま現在、2016年10月を生きるジョシュアとブラッドです。

叙情的な「Always August」から、ふたりの"語らい"は始まりました。柔らかなトーンでソプラノ・サックスを奏でるジョシュアは、"歌いあげる"という表現がぴったり。彼が吹いていないパートは、当然ながらブラッドのピアノ独奏なのですが、これがまた圧巻なのです。両手を目まぐるしく動かし、ときに腕を交差させながら、思いっきりダイナミクス(強弱)を生かして、時に流麗に、ときに打楽器的にフレーズを奏でます。5拍子(だと思います)の「Mehlsancholy Mode」では、テナー・サックスに持ち替えたジョシュアが渾身のプレイを繰り広げます。彼はデビューの頃から、よくテナー・サックスとは信じがたいほどのハイノート(超高音)を出していましたが、ここでもそれをガンガン挿入しながら、時折ギターのチョーキングのように音をベンドさせてアドリブをとります。2人のオリジナル曲だけではなく、スタンダード・ナンバー「My Ideal」や、モダン・ジャズの古典であるセロニアス・モンク作「Let's Call This」やマイルス・デイヴィス作「The Serpent's Tooth」を取り上げていたのも内容にバラエティを加えていました。

公演は本日まで「ブルーノート東京」、14日は「コットンクラブ」で行なわれます。
(原田 2016 10.13)


Photo by Takuo Sato


●JOSHUA REDMAN / BRAD MEHLDAU Duo
2016 10.14 fri.  コットンクラブ
詳細はこちら

SET LIST

2016 10.12 WED.
1st
1. ALWAYS AUGUST
2. MEHLSANCHOLY MODE
3. LET'S CALL THIS
4. UNTITLED
5. MY IDEAL
6. THE SERPENT'S TOOTH
 
2nd
1. JEDEDIAH
2. HIGH COURT JIG
3. I REMEMBER YOU
4. THE DISTANCE
5. THE NEARNESS OF YOU
6. ORNITHOLOGY
EC. OLD WEST

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