2016 10.21 fri., 10.22 sat., 10.23 sun., 10.24 mon.
CANDY DULFER
artist CANDY DULFER
原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO
ソロ・デビューから、早いもので26年。ファンキー・ミュージックひとすじに活動を続けるサックス・クイーン、キャンディ・ダルファーが今年もエキサイティングなステージを繰り広げています。
もちろんホットでポップでダンサブルであることはいうまでもありませんが、今回はバンド・メンバーに多数の若手気鋭を登用し、照明もこれまで以上にカラフルにするなど、いっそう派手でワイルド。入念な演出もあって、ただでさえ華のあるキャンディの音楽世界が、視覚と聴覚の両方でこちらに迫ってきます。ヴォーカルのアイヴァン・ペロティとカミーロ・ロドリゲスはいずれも初登場。アイヴァンの逞しく深みのある声、カミーロの優しいテナー・ヴォイスが見事なコントラストを描き、キャンディもここ数年のブルーノート東京公演では一番といえるくらいの頻度でヴォーカルをとります。キーボードのホルディ・カルフスヴェル(初登場)も卓越した歌唱力の持ち主なので、曲によっては男性3人+女性1人の分厚いコーラスも味わうことができました。
新作に収録されるというヴォーカル・ナンバー「After Tonight」から、キャンディもバンド・メンバーも勢い全開。芯の太いアルト・サックスの音色が、ディスコ・ファンクというべき曲調と見事にかみ合います。"この曲がなければ現在の私はなかった"という前置きのあとにプレイされたのは初期の代表曲「Lily Was Here」。ユーリズミックスのデイヴ・スチュアートが曲作りに関わったインストゥルメンタル・ナンバーです。キャンディ・サウンドの要の一人であるベテラン、ウルコ・ベッドのすすり泣くようなギター・プレイも絶品でした。その他、思わず"フィーバー!"と叫びたくなる気分を抑えられなくなる「DISCO」、アイヴァンが艶っぽい歌声でメロウに迫る「Together」など、どこをとっても覚えやすくてダンサブル。「ニュー・アルバムは、とんでもなく充実したものになりそうだ。いくら期待してもしすぎることはないだろう」と、ぼくは気持ちを新たにしました。
それにしてもキャンディはリード・ヴォーカルをとり、サックスを吹き、観客を煽り、バンド・メンバーに指示を送り、MCをし、ときにダンスもして、文字通り休む間がないほどの大活躍。これを1日2セット、約3時間こなしてしまうのですから、おそるべきstrengthです。プリンス、マドンナ、シーラ・E、ビヨンセなど錚々たる顔ぶれを引き付けてきた理由のひとつも、これなのかもしれません。すべての曲を終えたキャンディは、割れんばかりの拍手と歓声の中、「今日から4日間続く東京公演のスタートを、最高のオーディエンスと共に、最高の状態で切ることができた」と飛び切りの笑顔で語りました。キャンディとその仲間たちの、ホットでハッピーなファンキー・パーティは24日まで休みなく続きます。
(原田 2016 10.22)
Photo by Yuka Yamaji
2016 10.21 FRI.
1st | |
---|---|
1. | AFTER TONIGHT |
2. | HOW IT'S DONE |
3. | LILY WAS HERE |
4. | DISCO |
5. | WHAT YOU DO |
6. | UNTITLED INTRO |
7. | TOGETHER |
8. | CALIFORNIA LOVE ~ NO DIGGITY |
9. | PICK UP THE PIECES |
EC. | SAX-A-GO-GO |
2nd | |
1. | AFTER TONIGHT |
2. | HOW IT'S DONE |
3. | LILY WAS HERE |
4. | DISCO |
5. | OUT OF TIME |
6. | WHAT YOU DO |
7. | LOST AND GONE |
8. | CALIFORNIA LOVE ~ NO DIGGITY |
9. | TOGETHER |
10. | PICK UP THE PIECES |
EC. | SAX-A-GO-GO |