2016 11.22 tue., 11.23 wed., 11.24 thu., 11.25 fri.
MICHEL CAMILO & TOMATITO - Spain Forever -
artist MICHEL CAMILO , TOMATITO
原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO
"今宵お届けしているのは、とてもメロディックで、深いエモーションに溢れた音楽なんだ"
ステージも半ばに差しかかった頃、ミシェル・カミロはこう語りました。まさしくそうです、その通りです。ドミニカ共和国が世界に誇るピアニスト=ミシェル・カミロと、スペインが生んだフラメンコ・ギターの至宝=トマティートの共演は、ためいきが出るほど美しいメロディの連続でした。しかもそれらが澄んだ音色、豊かな情感を伴って表現されるのです。
ふたりが初めて共演したのは1997年、バルセロナにて。3年後に『スペイン』、2006年に『スペイン・アゲイン』をリリースし、さらに10年を経た今年、『スペイン・フォーエヴァー』を出しました(国内盤は11月2日発売)。ステージは、その最新作からのナンバーが中心です。エグベルト・ジスモンチ作「Água e Vinho」(水とワイン)、チャーリー・ヘイデン作「Our Spanish Love Song」、エンニオ・モリコーネ作「Cinema Paradiso」といった名曲が次々と目の前でプレイされます。空間を音で埋め尽くすことすることだってできる超絶技巧派が音数を思いっきり抑えながら、じっくりと旋律を綴るのです。
カミロもトマティートも、自分の指先を見ることは殆どありません。その代わり、演奏中さかんに目をあわせてパフォーマンスを進めます。我々は誰かと話をするとき、通常、そのひとの目を見ます。ふたりが"音の会話"を心から楽しんでいることは、その視線を追っているだけでも伝わってきました。
ピアノとギターが絡み合いながら雄大な世界を作り出すいっぽうで、ピアノやギター主導のパートもたっぷりフィーチャー。カミロが前面に出るパートではトマティートが繊細な爪弾きでピアノを支え、トマティートがスポットを浴びる場所ではカミロがゴージャスな和音(コード)をつけてギターを引き立てます。ラスト近くに登場したチック・コリア作「Armando's Rhumba」では剣豪の対決を思わせるプレイ。おそろしく音色の粒が揃った早弾きで延々と掛け合いを繰り広げるふたりに、会場はいっそう沸きました。
極上のバラードから火花散る技巧の応酬まで、(当たり前かもしれませんが)すべてがとてつもなくハイレベル。カミロ&トマティートのコンビは"マジカル"のひとことに尽きます。公演は25日まで!
(原田 2016 11.23)
Photo by Tsuneo Koga
2016 11.22 TUE.
1st | |
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1. | ÁGUA E VINHO |
2. | OUR SPANISH LOVE SONG |
3. | OBLIVION |
4. | CINEMA PARADISO |
5. | ARMANDO'S RHUMBA |
6. | GNOSSIENNE NO.1 | 7. | A MI NINO JOSE |
8. | LA VACILONA |
EC. | ABOUT YOU |
2nd | |
1. | OUR SPANISH LOVE SONG |
2. | MANHA DE CARNAVAL |
3. | NUAGES |
4. | ÁGUA E VINHO |
5. | LIBERTANGO |
5. | SONG FOR YOU |
6. | CINEMA PARADISO |
7. | SPAIN |
EC. | TWO MUCH |