2016 12.4 sun., 12.5 mon., 12.6 tue., 12.7 wed.
STEVE GADD BAND "WAY BACK HOME" Tour featuring MICHAEL LANDAU, KEVIN HAYS, JIMMY JOHNSON & WALT FOWLER
artist MICHAEL LANDAU , STEVE GADD
原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO
超満員のファンの熱狂的な反応を受けて、スティーヴ・ガッド・バンドの公演がスタートしました。メンバーはウォルト・フォウラー(フリューゲルホーン、トランペット)、マイケル・ランドウ(ギター)、ジミー・ジョンソン(ベース)、そしてガッドという不変のラインナップ。そこにケヴィン・ヘイズがフェンダー・ローズとアコースティック・ピアノ、そしてヴォーカル(!)で加わります。
ケヴィン参加の知らせは、ぼくをさらに楽しみな気持ちにさせてくれました。彼は'90年代に頭角を現し、名門ブルーノート・レーベルからワールド・デビューを果たした才人です。少年の頃からベテラン・ピアニストのルー・スタインにジャズ奏法を師事、音楽院ではビル・シャーラップと同窓でした。その後、本格的なプロ活動に転じ、ソニー・ロリンズ、ドナルド・ハリソン(クリスチャン・スコットの叔父)、クリス・ポッターらと共演。2011年には、ジャズと現代音楽をつなぐ俊英パトリック・ジマーリの楽曲を、ブラッド・メルドーとのピアノ連弾で表現しています(アルバム『Modern Music』)。ケヴィンの参加はガッド・バンドの音楽に新たな色彩を付け加え、豊かなモダン・ジャズ経験を反映したのであろうタッチやハーモニーは、マイケル・ランドウのロック色の濃いギター・プレイと深いコントラストを描きました。
「The Windup」、「The Long Way Home」などは前回のライヴでも演奏された曲ですが、そのときはラリー・ゴールディングスのハモンド・オルガンが活躍しており、ちょっと土臭いというか、サザン・ロック的な印象も受けたものです。ケヴィンのピアノが入ることによって響きがどう変わったか、昨年のステージもご覧になった方にはより強く実感していただけると思います。「Green Foam」はウォルト、マイケル、ケヴィンの会心のソロが続くジャム・セッション風ナンバー。ガッドは腕を高く掲げ、思いっきり抜けの良い音でビートを刻みます。ザ・クルセイダーズ(メンバーの相次ぐ他界で消滅してしまいました)の十八番「Way Back Home」も、まるで最初からガッド・バンドのために作られたものであるかのように響きました。まずマイケルがギターでカッティングを始め、それに乗ってウォルトのフリューゲルホーンとジミーのベースがテーマ・メロディをユニゾンで奏でます。演奏がしばらく続いたところでガッドとケヴィンが入り、やがてアップ・テンポに。ケヴィンのアドリブ・パートは鍵盤とスキャットのユニゾンです。意表を突く展開、スリリングなアレンジに、ぼくは時間を忘れました。
もちろんガッドのソロも「The Windup」「Sly Boots」など、いろんな場所で登場します。ソリストとしての凄味、サポートに回った時の渋さ、そして迫力。現在のガッドの幅広い魅力が、このライヴに注ぎ込まれています。ライヴは7日までオフ日なく続きます。
(原田 2016 12.5)
Photo by Tsuneo Koga
2016 12.4 SUN.
1st | |
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1. | THE WIND UP |
2. | THE LONG WAY HOME |
3. | GREEN FOAM |
4. | COUNTRY |
5. | WAY BACK HOME |
6. | DUKE'S ANTHEM |
7. | SLY BOOTS |
EC. | BLUES FOR… |
2nd | |
1. | THE WIND UP |
2. | CAVALIERO |
3. | GREEN FOAM |
4. | AFRICA |
5. | COUNTRY |
6. | WAY BACK HOME |
7. | DESU |
8. | SLY BOOTS |
EC. | BLUES FOR… |