2016 12.10 sat., 12.11 sun., 12.12 mon.
LALAH HATHAWAY
artist LALAH HATHAWAY
原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO
3年連続、グラミー賞を受賞! 名実ともにR&B界のトップをゆく歌姫、レイラ・ハサウェイが約1年ぶりに「ブルーノート東京」に登場中です。スケールの大きな歌唱、心地よいサウンド作りが時の経過を忘れさせてくれます。
実力派ぞろいのバック・メンバーは全員、黒を基調としたコスチューム。彼らが半円形に囲む中、鮮やかな衣装を着たレイラが一歩前に出て歌います。スタンド・マイクによるパフォーマンスですが、両手を揺らしたり伸ばしたり、気持ちよさそうに体をスウィングさせたり、彼女の動きはまさに「音楽の海の中を漂っている」という感じ。目を閉じながら、やさしくやさしくバラードを歌いあげる表情も絶品です。マイクに、まったくといっていいほどリバーブをかけていなかったところにも、ぼくはとても好感を抱きました。デッドな音響が、息遣いや声の潤いをさらにリアルに届けてくれるのです。
「Angel」、「Forever, For Always, For Love」、「Somethin'」と、極めつけのナンバーが超満員の会場に響きわたります。「Forever~」ではギターの名手イザイア・シャーキーが圧倒的なプレイを聴かせてくれました。最初はクリーンなトーンで渋く弾き、やがて音色を歪ませてスクリームするかのように弦をかき鳴らし、タッピング奏法も交えてクライマックスへともつれ込みます。それに絡むように他のメンバーのプレイも熱を加え、リネット・ウィリアムスが豪快なハモンド・オルガンのサウンドでギターに絡みます。またレイラは「Somethin'」でスキャットをたっぷり披露しました。彼女は数多くのジャズ・ミュージシャンとの交流でも知られています。きっと、サックス奏者やトランペット奏者のような気分で、あのスムーズなスキャットを綴ったのでしょう。
冬だというのに披露された大スタンダード・ナンバー「Summertime」も大きな聴きものでした。ルイ・アームストロングからジャニス・ジョプリンまで数多くのアーティストがとりあげてきた20世紀の定番ですが、レイラのバンドはエリック・スミスの強烈なベース・イントロ(スライ&ファミリー・ストーンの「Thank You」風)で幕開けです。巧みなフェイクを加えながらレイラが歌い、リネットがフェンダー・ローズで粋なソロを聴かせた後、「まだ歌い足りない」とばかりにレイラはスキャットで即興を始めました。半音を巧みに使ったフレーズで魅了してから、最後にチャーミングな口笛でしめくくります。オーディエンスの喝采がさらに熱を増したことはいうまでもありません。
東京公演は12日まで続きます(13日は大阪・梅田クラブクアトロ、14日は名古屋ブルーノート)。3年連続グラミー・ウィナーがおくる、実力と貫禄のステージを間近でごらんください。
(原田 2016 12.11)
Photo by Makoto Ebi
2016 12.10 SAT.
1st | |
---|---|
1. | LET GO |
2. | GHETTO BOY |
3. | ANGEL~LOVE'S HOLIDAY~ MY HEART IS YEARNING FOR LOVE |
4. | SUMMERTIME |
5. | FOREVER,FOR ALWAYS,FOR LOVE |
6. | SOMETHIN' |
EC. | LEAN ON ME |
2nd | |
1. | LET GO |
2. | GHETTO BOY |
3. | ANGEL~LOVE'S HOLIDAY~ MY HEART IS YEARNING FOR LOVE |
4. | SUMMERTIME |
5. | MIRROR |
6. | LEAN ON ME |
7. | FOREVER,FOR ALWAYS,FOR LOVE |
8. | SOMETHIN' |
EC. | STREET LIFE |