2016 12.14 wed., 12.15 thu.
AKIKO WADA
artist 和田アキ子
原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO
シンガー・和田アキ子のフルコースを味わいました。2014年から始まった恒例の「ブルーノート東京」公演が、今年も盛大に開催されました。
毎回毎回、ここで公演する時は新趣向で楽しませてくれますが、今回の1曲目はなんと、「This Masquerade」。先日亡くなったレオン・ラッセルが書いた曲で、ジョージ・ベンソンやカーペンターズなどが名唱を残しています。バラード風に解釈されることが多いナンバーですが、和田アキ子はビートルズの「Come Together」やマーヴィン・ゲイの「Inner City Blues」を思わせるファンキーなベース・ラインを生かしたアレンジで熱唱。歌い終えたあと、"ブルーノート公演は、いい意味で期待を裏切るようなライヴにしたい。"と語ります。
つづいてはラジオのリスナーからリクエストが来たことで取り上げることにしたという「悲しい歌」。元ピチカート・ファイヴの小西康陽が書いた曲で、和田は20年ほど前にレコーディングしたことがあります。これも"ファンキー"という言葉が似合う歌唱。さらにアレサ・フランクリンの「Chain of Fools」と「Rock Steady」へと続きます。和田アキ子はニューヨーク・タイムズの電子版に"日本のアレサ"と紹介されたこともありますが、なぜかいままで彼女の歌をとりあげたことがなかったのだそうです。これもまた大変な熱唱、女性コーラスやホーン・セクションも一丸となって、うねるようなパフォーマンスを繰り広げます。ほかにもジェイムズ・ブラウンの「I Got You (I Feel Good)」、エリック・クラプトンの「Tears in Heaven」、ルイ・アームストロングの「What a Wonderful World」など、たくさんの洋楽ナンバーを歌唱。超満員のオーディエンスからも、アップテンポ曲では手拍子や声援で盛り上がり、バラードではしんと静まってじっくり歌に耳を傾けるなど、和田アキ子の歌に対する深いリスペクトが伝わってきます。敬愛する越路吹雪に捧げたシャンソン「愛の讃歌」はファンから"ぜひ歌ってほしい"という声を受けて、昨年に続いての歌唱。緩急を生かした、ドラマティックなパフォーマンスで引き付けました。
もちろん「古い日記」、「どしゃぶりの雨の中で」、「笑って許して」(観客の"アッコ"コールも圧巻でした)、「だってしょうがないじゃない」、「もう一度ふたりで歌いたい」、"心の中に希望の鐘が鳴りますように"という前置きから始まった「あの鐘を鳴らすのはあなた」など黄金のオリジナル・ソングも満載。来たる歌手生活50周年に向けて、シンガーとして、エンターテイナーとして、和田アキ子の躍進は止まりません。
Photo by Yuka Yamaji
2016 12.14 WED.
1. | THIS MASQUERADE |
---|---|
2. | 悲しい歌 |
3. | 古い日記 |
4. | Chain Of Fools |
5. | Rock Steady |
6. | どしゃぶりの雨の中で |
7. | 笑って許して |
8. | だってしょうがないじゃない |
9. | 愛の讃歌 |
10. | 黒い炎 |
11. | I got you |
12. | Tears in Heaven |
13. | もう一度ふたりで歌いたい |
EC1. | What a Wonderful World |
EC2. | あの鐘を鳴らすのはあなた |