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ANNA MARIA JOPEK

artist ANNA MARIA JOPEK

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原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO


ブルーノート東京の、今年のクリスマス・シーズンには中央ヨーロッパの風が吹きます。ポーランドが誇る才色兼備の歌姫、アンナ・マリア・ヨペックの登場です。

幼いころからショパン、ラヴェル、バッハ、モーツアルトなどのクラシック音楽に親しみ、留学先のアメリカ・ニューヨークではジャズを習得。この2つからの影響をベースに、フォーク・ソング、オルタナティヴ・ロック等のテイストも加えながら、彼女は独自の音楽世界を築きます。1997年にはデビュー・アルバム『Ale jestem』がポーランドで大ヒット、2002年に発表されたパット・メセニーとの合作『Upojenie』で世界的な知名度を獲得しました。ピアニストの小曽根真とも大いに意気投合し、ふたりの共演は小曽根の『ロード・トゥ・ショパン』やヨペックの『俳句』で聴くことができます。

今回の公演でヨペックをサポートするのは、クシシュトフ・ヘルジン(ピアノ)、ロベルト・クビシン(エレクトリック・ベース)、パヴェウ・ドブロヴォスルキ(ドラムス)という凄腕たち。ヘルジンはリコーダーを吹いたり、アフリカ産の親指ピアノも演奏します。クビシンが弾いている楽器は、ちょっと見た感じ大型のアコースティック・ギターです。アルペジオやコード(和音)奏法を用いながらのプレイは、ギターとベースを兼ねているようにも感じられました。

誰もが基本的に、ヨペックの歌を引き立てることに徹しています。彼女は今回のライヴでも、エフェクターをかけたマイクと、そうでないマイクの2本を使用。どこまでも伸びていくようなロング・トーン、ささやきからスクリームまでを見事にコントロールする声の表現力、ときにクラシカルにときにリズミカルに移り変わる音楽性・・・多種多様なヴォーカルに、伴奏者たちは鮮やかに対応します。それでいて、いざ間奏でソロがフィーチャーされると、水を得た魚のように生きのいいアドリブを繰り広げます。とくにアップ・テンポ系の曲におけるヘルジンのプレイは、"ポーランド版ハービー・ハンコック"といったところ。このライヴに、彼のピアノを楽しみにやってきても、しっかりモトはとれることでしょう。

「素晴らしい夜を過ごすことができてとても幸せです。皆さんと私たちはクリスマス・ファミリーです」。そう観客に日本語で話しかけながら、ヨペックは濃密な歌の世界にオーディエンスをいざなってくれました。クリスマス・イヴの本日、そしてクリスマス当日にあたる25日と、彼女の歌声はさらに輝きを増し、神聖な響きを携えながらファンの心をつかんでゆくことでしょう。もちろんクリスマス・ソングも歌ってくれます。極上のひとときを、お楽しみに!
(原田 2016 12.24)


Photo by Takuo Sato

SET LIST

2016 12.23 FRI.
1st
1. UCISZ SIE
2. CZULE MIEJSCE
3. W TEJ PIOSENCE JEST STALE ZIMA
4. SZEPTY I ŁZY
5. MOZLIWE
6. RDZAWE ŁISCIE
7. OJ TESKNO
8. TO I HOLA
9. OJ W KADZILANSKIM BORU
10. NIEBO
11. PRZYPLYW,ODPLYW
12. FOLLOW ME
13. BOG SIE RODZI
14. W ZIMOWE DNI
15. WIGILIJNA KOLYSANKA
16. ZRÓB CO MOZESZ
EC1. SILENT NIGHT
EC2. UPOJENIE

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