2016 12.27 tue., 12.28 wed.
ELECTRO DELUXE
artist ELECTRO DELUXE
原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO
痛快無比のライヴです。グループ名をちょっと見た感じ、「テクノ系かな?」とも思う方もいらっしゃるでしょうが、内容はグルーヴ感満載の人力ゴリゴリ・サウンド。しょっぱなからエンディングまで、ファンキーに飛ばしまくります。
フランスの人気グループ、エレクトロ・デラックスがアルバム『Circle』を携えてついに初来日を果たしました。スタートしたのが2001年ですから、今年はちょうど結成15年にあたります。ヴォーカリストのジェームズ・コプリーは、あごひげがトレードマーク。「ずっとここに来たかったんだ。みんな、食事は済んだかい?じゃあ、もう立ち上がって踊るしかないぜ。ゲット・アップ!」と、観客をたきつけます。
オープニングは「K.O.」。コプリ―は拳をボクサーのように動かしたり空中に突き立てながら、熱いシャウトを繰り広げます。ギタリストは参加していませんが、その替わりに鍵盤で猛烈なリズムの"刻み"(カッティング)を聴かせるのがキーボード奏者のガエル・カドォです。歪んだ音色のホーナー・クラヴィネットを駆使したプレイは、ファンク・バンドのリズム・ギターとハード・ロック・バンドのリード・ギターを兼ねているようにも感じられました。「Devil」でのコプリーはマイクスタンドを自在に動かしてジェームズ・ブラウンを意識したようなアクションも披露。オーディエンスと何度もコール&レスポンスを繰り広げ、インスト・ナンバー「Ground」へ。ずっと後方にいたホーン・セクションの3人がここで前面に飛び出し、振り付けも入れながら威勢よく吹きまくります。JB'sの「Wine Spot」やチェイスの「Get It On」を思わせる曲調も高揚感を倍加させます。そして「Paramount」では、グループの創始者であるテナー・サックスのトマ・フォーレとキーボードのガエル・カドォをフィーチャー。ガエルのフェンダー・ローズ演奏は、ハービー・ハンコックの名盤『Head Hunters』のそれを彷彿とさせるものでした。
ヴォーカル、トロンボーン(ベルトラン・ルジナン)、キーボードのトリオで演じられた「Circle of Life」をはさみ、後半は再び全員による怒涛のパフォーマンスが続きます。ハンドクラップが炸裂する「Twist Her」は、'60年代前半を風靡した"ツイスト"とファンクが出会ったようなナンバー。コプリーは"見たところ俺の周りは男性ばかり。女性の皆さん、もっとこっちに来てくれないか"と呼びかけ、彼女たちをステージにあげながら熱唱を繰り広げます。ラストの「Stayin' Alive」(もちろん映画『サタデイ・ナイト・フィーバー』からのカヴァー)では、リフレイン部分を客席と大合唱。約40年前にザ・ビージーズが歌ったサラッとしたディスコ・ナンバーが、重厚で粘っこいファンク風味を加えて現代に蘇ります。
1秒たりともオーディエンスをじっとさせない、文字通り観客と一緒につくりあげていくエンタテインメント・ショウがここにありました。個人的には「もう、2017年のBlue Note JAZZ FESTIVAL in JAPANの有力出演者候補が出たな」という気持ちでいっぱいです。インコグニート、タワー・オブ・パワー、アヴェレイジ・ホワイト・バンド、アース・ウィンド&ファイアーのファンにもぜひお勧めしたいバンド、それがエレクトロ・デラックスです。公演は本日まで!
(原田 2016 12.28)
Photo by Tsuneo Koga
2016 12.27 TUE.
1st | |
---|---|
1. | K.O. |
2. | ALL ALONE |
3. | LIAR |
4. | DEVIL |
5. | GROUND |
6. | PARAMOUNT |
7. | CIRCLE OF LIFE |
8. | KEEP MY BABY DANCING |
9. | TWIST HER |
10. | LET'S GO TO WORK |
11. | SMOKE |
12. | EYE FOR AN EYE |
EC. | STAYING ALIVE |
2nd | |
1. | K.O. |
2. | ALL ALONE |
3. | LIAR |
4. | DEVIL |
5. | GROUND |
6. | PARAMOUNT |
7. | CIRCLE OF LIFE |
8. | KEEP MY BABY DANCING |
9. | TWIST HER |
10. | LET'S GO TO WORK |
11. | SMOKE |
12. | EYE FOR AN EYE |
13. | STAYING ALIVE |