LIVE REPORTS

ARTIST ARCHIVES

MONTHLY ARCHIVE

VIDEO ARCHIVES


ELECTRO DELUXE

artist ELECTRO DELUXE

REPORT

原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO


痛快無比のライヴです。グループ名をちょっと見た感じ、「テクノ系かな?」とも思う方もいらっしゃるでしょうが、内容はグルーヴ感満載の人力ゴリゴリ・サウンド。しょっぱなからエンディングまで、ファンキーに飛ばしまくります。

フランスの人気グループ、エレクトロ・デラックスがアルバム『Circle』を携えてついに初来日を果たしました。スタートしたのが2001年ですから、今年はちょうど結成15年にあたります。ヴォーカリストのジェームズ・コプリーは、あごひげがトレードマーク。「ずっとここに来たかったんだ。みんな、食事は済んだかい?じゃあ、もう立ち上がって踊るしかないぜ。ゲット・アップ!」と、観客をたきつけます。

オープニングは「K.O.」。コプリ―は拳をボクサーのように動かしたり空中に突き立てながら、熱いシャウトを繰り広げます。ギタリストは参加していませんが、その替わりに鍵盤で猛烈なリズムの"刻み"(カッティング)を聴かせるのがキーボード奏者のガエル・カドォです。歪んだ音色のホーナー・クラヴィネットを駆使したプレイは、ファンク・バンドのリズム・ギターとハード・ロック・バンドのリード・ギターを兼ねているようにも感じられました。「Devil」でのコプリーはマイクスタンドを自在に動かしてジェームズ・ブラウンを意識したようなアクションも披露。オーディエンスと何度もコール&レスポンスを繰り広げ、インスト・ナンバー「Ground」へ。ずっと後方にいたホーン・セクションの3人がここで前面に飛び出し、振り付けも入れながら威勢よく吹きまくります。JB'sの「Wine Spot」やチェイスの「Get It On」を思わせる曲調も高揚感を倍加させます。そして「Paramount」では、グループの創始者であるテナー・サックスのトマ・フォーレとキーボードのガエル・カドォをフィーチャー。ガエルのフェンダー・ローズ演奏は、ハービー・ハンコックの名盤『Head Hunters』のそれを彷彿とさせるものでした。

ヴォーカル、トロンボーン(ベルトラン・ルジナン)、キーボードのトリオで演じられた「Circle of Life」をはさみ、後半は再び全員による怒涛のパフォーマンスが続きます。ハンドクラップが炸裂する「Twist Her」は、'60年代前半を風靡した"ツイスト"とファンクが出会ったようなナンバー。コプリーは"見たところ俺の周りは男性ばかり。女性の皆さん、もっとこっちに来てくれないか"と呼びかけ、彼女たちをステージにあげながら熱唱を繰り広げます。ラストの「Stayin' Alive」(もちろん映画『サタデイ・ナイト・フィーバー』からのカヴァー)では、リフレイン部分を客席と大合唱。約40年前にザ・ビージーズが歌ったサラッとしたディスコ・ナンバーが、重厚で粘っこいファンク風味を加えて現代に蘇ります。

1秒たりともオーディエンスをじっとさせない、文字通り観客と一緒につくりあげていくエンタテインメント・ショウがここにありました。個人的には「もう、2017年のBlue Note JAZZ FESTIVAL in JAPANの有力出演者候補が出たな」という気持ちでいっぱいです。インコグニート、タワー・オブ・パワー、アヴェレイジ・ホワイト・バンド、アース・ウィンド&ファイアーのファンにもぜひお勧めしたいバンド、それがエレクトロ・デラックスです。公演は本日まで!
(原田 2016 12.28)


Photo by Tsuneo Koga

SET LIST

2016 12.27 TUE.
1st
1. K.O.
2. ALL ALONE
3. LIAR
4. DEVIL
5. GROUND
6. PARAMOUNT
7. CIRCLE OF LIFE
8. KEEP MY BABY DANCING
9. TWIST HER
10. LET'S GO TO WORK
11. SMOKE
12. EYE FOR AN EYE
EC. STAYING ALIVE
 
2nd
1. K.O.
2. ALL ALONE
3. LIAR
4. DEVIL
5. GROUND
6. PARAMOUNT
7. CIRCLE OF LIFE
8. KEEP MY BABY DANCING
9. TWIST HER
10. LET'S GO TO WORK
11. SMOKE
12. EYE FOR AN EYE
13. STAYING ALIVE

INDEX