LIVE REPORTS

ARTIST ARCHIVES

MONTHLY ARCHIVE

VIDEO ARCHIVES


NICK WATERHOUSE

artist NICK WATERHOUSE

REPORT

原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO


フォープレイのカウントダウン/ニューイヤー公演から始まった2017年の「ブルーノート東京」。昨日からは気鋭のシンガー・ソングライター、ニック・ウォーターハウスが登場しています。

出身はカリフォルニア州ロサンゼルス近郊。12歳からギターの弾き語りを始め、2010年に、なんとアナログ盤シングル・レコードでデビューしました。2012年ファースト・アルバム『Time's All Gone』をリリースし、翌13年に初来日。今回は約4年ぶりの来訪ですが、歌もギターもさらに貫禄を増し、観客に語りかけるようなMCには余裕が感じられます。来月で31歳になる彼が、これからどう変化し、円熟していくのか。公演に接し、ぼくはニックの30代がさらに楽しみになりました。

レパートリーは最新アルバム『Never Twice』からの「It's Time」、「I Had Some Money (But I Spent it)」、「LA Turnaround」、前作『Holly』からの「It No. 3」、「Dead Room」、前述『Time's All Gone』からの「Don't You Forget It」、「(If) You Want Trouble」などをバランスよく取りまぜたもの。「前回の公演を見逃した方も、これを見ればニックの魅力がたちどころにわかる」といいたくなるステージです。情熱的なヴォーカルに加え、曲によってはギター・ソロを弾きまくる箇所もあり。低音弦を主に、力強いピッキングで豪快にプレイしていました。

バックのメンバーも、素晴らしく息の合ったプレイでニックをサポートします。なかでもJ.B.フラットはピアノもオルガンも、まるで1960年代のダンサブルなジャズ系レコード(グーギー・レネやラムゼイ・ルイスのような)から飛び出してきたような音色で熱演しました。片手でピアノ、片手でオルガンを弾きながらの"ひとりコール&レスポンス"は、彼の得意技のひとつでしょう。テナー・サックスとフルートを吹くジェラニ・ブルックスは、テキサス州ダラス出身。ディグス・デュークのほか、カーク・フランクリン、マーカス・ミラーとの交流もある29歳です。太い音色、勢いよく飛び出すフレーズは、黒田卓也のバンドで来日したクレイグ・ヒルに通じるものがあります。ニックが前回来日した時には二人のバック・シンガーがいましたが、今回はキャロル・ハチェットひとりが担当。ハモリが巧いだけではなく、ニックとの掛け合いも絶品でした。タンバリンの音の切り方も実に歯切れがよく、彼女の存在がステージを一層華やかなものにしていたことは間違いないでしょう。

1月4日に「ブルックリンパーラー新宿」でDJイベントを行ない、あらためて熱狂的な音楽マニアぶりを知らしめたニック。ポップスの歴史に敬意と愛情をこめたサウンドは実に親しみやすく、メロディアスでダンサブルです。R&Bやラテンやジャズはもちろん、チカーノ・ロック、ブーガルー、英国のモッズ~ビート・サウンドにまで目配せしているに違いない、才人ニック・ウォーターハウスのレトロ・フューチャーな世界に、ぜひお越しください!
(原田原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO


フォープレイのカウントダウン/ニューイヤー公演から始まった2017年の「ブルーノート東京」。昨日からは気鋭のシンガー・ソングライター、ニック・ウォーターハウスが登場しています。

出身はカリフォルニア州ロサンゼルス近郊。12歳からギターの弾き語りを始め、2010年に、なんとアナログ盤シングル・レコードでデビューしました。2012年ファースト・アルバム『Time's All Gone』をリリースし、翌13年に初来日。今回は約4年ぶりの来訪ですが、歌もギターもさらに貫禄を増し、観客に語りかけるようなMCには余裕が感じられます。来月で31歳になる彼が、これからどう変化し、円熟していくのか。公演に接し、ぼくはニックの30代がさらに楽しみになりました。

レパートリーは最新アルバム『Never Twice』からの「It's Time」、「I Had Some Money (But I Spent it)」、「LA Turnaround」、前作『Holly』からの「It No. 3」、「Dead Room」、前述『Time's All Gone』からの「Don't You Forget It」、「(If) You Want Trouble」などをバランスよく取りまぜたもの。「前回の公演を見逃した方も、これを見ればニックの魅力がたちどころにわかる」といいたくなるステージです。情熱的なヴォーカルに加え、曲によってはギター・ソロを弾きまくる箇所もあり。低音弦を主に、力強いピッキングで豪快にプレイしていました。

バックのメンバーも、素晴らしく息の合ったプレイでニックをサポートします。なかでもJ.B.フラットはピアノもオルガンも、まるで1960年代のダンサブルなジャズ系レコード(グーギー・レネやラムゼイ・ルイスのような)から飛び出してきたような音色で熱演しました。片手でピアノ、片手でオルガンを弾きながらの"ひとりコール&レスポンス"は、彼の得意技のひとつでしょう。テナー・サックスとフルートを吹くジェラニ・ブルックスは、テキサス州ダラス出身。ディグス・デュークのほか、カーク・フランクリン、マーカス・ミラーとの交流もある29歳です。太い音色、勢いよく飛び出すフレーズは、黒田卓也のバンドで来日したクレイグ・ヒルに通じるものがあります。ニックが前回来日した時には二人のバック・シンガーがいましたが、今回はキャロル・ハチェットひとりが担当。ハモリが巧いだけではなく、ニックとの掛け合いも絶品でした。タンバリンの音の切り方も実に歯切れがよく、彼女の存在がステージを一層華やかなものにしていたことは間違いないでしょう。

1月4日に「ブルックリンパーラー新宿」でDJイベントを行ない、あらためて熱狂的な音楽マニアぶりを知らしめたニック。ポップスの歴史に敬意と愛情をこめたサウンドは実に親しみやすく、メロディアスでダンサブルです。R&Bやラテンやジャズはもちろん、チカーノ・ロック、ブーガルー、英国のモッズ~ビート・サウンドにまで目配せしているに違いない、才人ニック・ウォーターハウスのレトロ・フューチャーな世界に、ぜひお越しください!
(原田 2017 1.6)


Photo by Great The Kabukicho 2017 1.6)


Photo by Great The Kabukicho

SET LIST

2017 1.5 THU.
1st
1. STANYAN STREET
2. SLEEPING PILLS
3. IT'S TIME
4. I HAD SOME MONEY (BUT I SPENT IT)
5. DON'T YOU FORGET IT
6. DEAD ROOM
7. IT'S YOUR VOODOO WORKING
8. LA TURNAROUND
9. SAY I WANNA KNOW
10. STRAIGHT LOVE AFFAIR
11. TRACY
12. THE OLD PLACE
13. (IF) YOU WANT TROUBLE
14. THIS IS A GAME
EC. IT NO.3
 
2nd
1. IS THAT CLEAR
2. DEAD ROOM
3. HOLLY
4. I CAN ONLY GIVE YOU EVERYTHING
5. STRAIGHT LOVE AFFAIR
6. HIGH TIDING
7. IT'S TIME
8. SLEEPING PILLS
9. TRACY
10. KATCHI
11. I HAD SOME MONEY (BUT I SPENT IT)
12. TIME'S ALL GONE
13. INDIAN LOVE CALL
14. SAY I WANNA KNOW
15. THIS IS A GAME
16. (IF) YOU WANT TROUBLE
17. SOME PLACE
EC. DON'T YOU FORGET IT

INDEX