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CHARLES LLOYD & THE MARVELS featuring BILL FRISELL with REUBEN ROGERS & ERIC HARLAND

artist BILL FRISELL , CHARLES LLOYD

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原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO


今年79歳を迎えるテナー・サックスのレジェンド、チャールズ・ロイドが新プロジェクト"ザ・マーヴェルズ"で出演中です!ぼくは昨年発売されたアルバム『アイ・ロング・トゥ・シー・ユー』を初めて聴いて以来、彼らの来日公演を待ち望んでいました。同じ気持ちの方も多いことでしょう。目の前で聴くロイドのサックスと、ビル・フリゼールのギターの音色の重なりは「芳醇」のひとことに尽きます。耳で味わう美酒、という感じでしょうか。

他のメンバーはルーベン・ロジャース(フレット付き4弦エレクトリック・ベース)、エリック・ハーランド(ドラムス)。いまやベテランの風格を感じさせるふたりですが、いずれも若手気鋭の頃からロイドのもとで活動を続けてきました。絡み合い、刺激し合うベースとドラムスのコンビネーションを聴けば、かつてキース・ジャレット、ジャック・ディジョネット、ミシェル・ペトルチアーニらにいち早く注目し、バンドに加えたロイドの慧眼がまったくブレていないことがわかると思います。

曲目は『アイ・ロング・トゥ・シー・ユー』からのものが中心でしたが、なかでもボブ・ディランの「Masters of War」は初日ファースト・セットの目玉に数えられるべき圧巻の出来でした。ノーベル文学賞を獲得し、ディラン再評価が高まっているであろう折に聴く、このプロテスト・ソングはひときわ心に沁みます。ロイドはテナー・サックスを揺すりながらサブ・トーン(息の音を混ぜる奏法といえばいいでしょうか)も交えて吹き、フリゼールは時にハープのようなアルペジオを使ってロイドに絶妙なバックグラウンドを提供します。単音と和音を巧みに織り交ぜたソロ部分にも、聴きほれるしかありませんでした。後半ではロイドとフリゼールがほぼ向かい合うようにプレイするシーンもありました。背が高く、足の長いふたりがアイ・コンタクトをとりながらプレイする姿は、実に絵になります。しかも"ザ・マーヴェルズ"、ロイドとフリゼールはともに3月生まれのうお座、ロジャースとハーランドはともに11月生まれのさそり座なのです。これもグループの相性の良さの理由のひとつかもしれません。中盤ではまた、ビーチ・ボーイズの「In My Room」も演奏されました。ブルーノート東京のステージでは、UKが生んだ驚異のワンマン・パフォーマー、ジェイコブ・コーラーもとりあげていましたが、ビーチ・ボーイズとの交友も深い(たとえば'71年のアルバム『Warm Waters』にはブライアン・ウィルソン、カール・ウィルソン、マイク・ラヴ、アル・ジャーディンが参加)ロイドが、この曲をナマで届ける"重み"は格別です。

その他、ペトルチアーニ在籍時代のレパートリー「Tone Poem」、19世紀の讃美歌「Abide with Me」などもプレイ。MCがないこともこの場合はプラスに作用し、多彩なムードを持った組曲を満喫したような気分にもさせてくれました。公演は14日まで続きます。
(原田 2017 1.13)


Photo by Takuo Sato


●エリック・ハーランドは、自身のバンドで3月にふたたび来日!
ERIC HARLAND QUARTET - Voyager -
2017 3.10 fri, 3.11 sat., 3.12 sun.  コットンクラブ
詳細はこちら

SET LIST

2017 1.12 THU.
1st
1. OF COURSE, OF COURSE
2. MASTERS OF WAR
3. REQUIEM
4. IN MY ROOM
5. TONE POEM
EC. ABIDE WITH ME
 
2nd
1. ANTHEM
2. NU BLUES
3. MONK'S MOOD
4. TAGORE
5. LA LLORONA
6. LITTLE PEACE
7. PASSIN' THRU ~ SHENANDOAH
EC. LADY GABOR

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