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ERIC BENÉT

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原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO


今年のバレンタインデーは過ぎてしまいましたが、彼の歌から香り高さ、甘さ、濃厚さ、セクシーさが失われることは未来永劫ないでしょう。4度のグラミー賞に輝くR&B界のビッグ・スター、エリック・ベネイの公演です。

バック・メンバーは以前と変わらず、ジョナサン・リッチモンド(キーボード)、アフトン・ジョンソン(ベース)、ジョン・"スティックス"・マクヴィッカー(ドラムス)という凄腕たち。気心の知れたメンバーが奏でるゴキゲンなサウンドをバックに、エリックは「Love Don't Love Me」を歌いながらステージに向かいます。サングラス、深々とかぶった帽子、洒落たジャケット、ノーネクタイ。あいかわらずスタイリッシュです。客席のいろんなところから握手を求める手が差し出され、それを力強く握りながらの熱唱です。ジョンのプレイも前回よりもさらに迫力が増し、曲によってはまるでドラム・ソロをしているかのような叩きっぷりを聴かせました。しかしそれは少しも歌をスポイルすることがありません。むしろエリックがその"煽り"に触発され、さらに自由奔放に歌いあげていくのです。「これぞライヴの醍醐味」と、ぼくはわくわくしながらステージを楽しみました。

"神様は数百年に1回、とんでもない才能をひとに授ける。俺に言わせればチャーリー・チャップリン、ミケランジェロ、プリンスがそれに相当する。次は俺が一番好きなプリンスの曲を歌うよ"という前置きから始まったのは、「How Come U Don't Call Me Anymore?」。エリックは椅子に座り、どこか遠い一点を見つめながら、ときにやさしく、ときに祈るように歌いあげます。情感のこもった艶やかなファルセット、ドラマティックなアレンジに、いまさらながら彼のプリンスに寄せる敬愛を感じたのはぼくだけではないでしょう。

そのほか、出たばかりのニュー・アルバム『エリック・ベネイ』からのナンバーである「Sunshine」や「Insane」、いわゆる十八番からは極めつけのバラード「Sometimes I Cry」、「Spend My Life With You」も"タミアとのデュオで19年前に出した初のナンバー・ワン・ヒットだ。君たち(オーディエンス)はまだ2歳ぐらいだったんじゃないかな?"というMCに続けて歌ってくれました(タミアのパートもエリックが歌いましたが、あえてファルセットを使わず、地声に徹していたのも印象的でした)。エリックの過去・現在・そして未来を感じさせるプログラムに、会場にいた誰もが大きな満足感を得たことでしょう。公演は18日までブルーノート東京、19日にはコットンクラブでも行われます。
(原田 2017 2.17)

Photo by Great The Kabukicho

●ERIC BENÉT
2017 2.19 sun.  コットンクラブ
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SET LIST

2017 2.16 THU.
1st & 2nd
1. INTRO
2. LOVE DON'T LOVE ME
3. SPIRITUAL THANG
4. THE HUNGER
5. CHOCOLATE LEGS
6. LOVE OF MY OWN
7. FEEL LIKE MAKING LOVE
8. HOW COME U DON'T CALL ME ANYMORE?
9. SUNSHINE
10. INSANE
11. SPEND MY LIFE WITH YOU
12. SOMETIMES I CRY
13. YOU'RE THE ONLY ONE
EC. GEORGY PORGY

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