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THE CHICK COREA ELEKTRIC BAND featuring DAVE WECKL, JOHN PATITUCCI, ERIC MARIENTHAL & FRANK GAMBALE

artist CHICK COREA , JOHN PATITUCCI

REPORT

原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO


1980年代後半を風靡した伝説のユニットが、黄金期のメンバーで復活しました。チック・コリア・エレクトリック・バンドの登場です。

チックが若手気鋭ミュージシャンを抜擢して同バンドを結成したのは1985年のこと。ぼくの記憶では最初トリオ編成だったはずですが、その後ギター(スコット・ヘンダーソンやジェイミー・グレイザーがいたこともあります)が加わって'86年に初来日、翌'87年にチック(キーボード)、エリック・マリエンサル(サックス)、フランク・ギャンバレ(ギター)、ジョン・パティトゥッチ(ベース)、デイヴ・ウェックル(ドラムス)の5人に落ち着きました。同年の来日公演の模様は『ライヴ・イン・東京 1987』というタイトルで発売されたばかりです。この5人は昨年8月から何度目かの再結成ツアーを始め、10月にはチック生誕75周年企画のひとつとして「ブルーノート・ニューヨーク」に登場。その勢いにのっての、「ブルーノート東京」公演です。

チックのライヴはいつも超満員ですが、今回はとくに「立錐の余地もない」という感じです。いったいどんな"2017年のエレクトリック・バンド"を聴かせてくれるのか、ファンの熱い気持ちがメンバーにも伝わっていたことは間違いありません。エレクトリック・バンドの特徴のひとつといっていいであろう高速ユニゾン、タイトな"キメ"の数々が至近距離で繰り広げられていくのは、まさしく快感のひとことに尽きます。オーディエンスも、時に前のめりになりながら、演奏に体を揺らし、ときには手拍子したり、チックにリードされて簡単なフレーズを合唱したり。超絶技巧を用いた激烈なパフォーマンスでありながらも、メンバーは決して観客をおいてけぼりにしたり、テクニックを誇示するようなことはしません。「一緒に楽しもうよ」とオーディエンスに呼びかけるような5人の演奏ぶりに、ぼくは"いっそう成熟したエレクトリック・バンドの姿"を感じました。

演奏曲目は「Charged Particles」、「Trance Dance」、現役最長老ジャズ・サックス奏者のひとりであろうジミー・ヒース(ことし91歳、エムトゥーメイの父としても知られる)が書いた「CTA」等。フランク・ギャンバレの超速弾き(スウィープ・ピッキング)は冴えに冴え、近年はゴードン・グッドウィンズ・ビッグ・ファット・バンドの一員として頻繁に来日しているエリック・マリエンサルもサックスを吹きまくり、ジョン・パティトゥッチとデイヴ・ウェックルは一体となってバンド・サウンドの底辺を担います。ラストでは大定番「Got A Match ?」(タイトルは初代リターン・トゥ・フォーエヴァーのメンバー、故ジョー・ファレルの口癖にちなんでいるとのことです)が飛び出し、チックは'80年代に戻ったかのようにショルダー・キーボードを手にして、音をベンドさせながらロング・ソロを繰り広げました。

公演は20日まで続きます。どんな曲がプレイされるのかは、その日その瞬間のチックの気持ちひとつで決まります。ぜひ期待で胸をいっぱいにしながら、公演にかけつけてもらえたらと思います。
(原田 2017 3.17)


Photo by Takuo Sato

SET LIST

2017 3.16 THU.
1st
1. CHARGED PARTICLES
2. TRANCE DANCE
3. CTA
4. ALAN CORDAY
5. BENEATH THE MASK
EC. GOT A MATCH?
 
2nd
1. SILVER TEMPLE
2. ETERNAL CHILD
3. ISHED
4. CAPTAIN JOCELYN
5. JOHNNY'S LANDING
EC. GOT A MATCH?

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