2017 3.21 tue., 3.22 wed., 3.23 thu.
THE RESIDENTS - In between Dreams -
artist THE RESIDENTS
原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO
あまりにも大きな謎に包まれているユニット、ザ・レジデンツが奇跡の再来日を果たしました。前回の日本公演は1985年。中学を出たばかりのぼくは確か雑誌「宝島」に掲載されていたライヴ・レビューとアーティスト写真を目にして、宇宙人と覆面レスラーが合体したようないでたちに驚くとともに自分が公演に参加できなかった不運を嘆き、「いつか彼らをナマで見たい」との思いをたくましくしました。つまり、ぼくは「見かけ」から彼らに惹かれたのです。アルバムをいろいろ聴くようになったのは今から20年近く前でしょうか、ボンバ・レコードから大量に国内盤CDが登場してからです。なかでもジョージ・ガーシュウィンとジェームズ・ブラウンの関連曲を集めた『ジョージ&ジェームズ』の破天荒ぶり、奇想天外さに圧倒され、一時期はこればかり楽しんでいました。人間味の塊のようなブラウンの名盤『ライヴ・アット・ジ・アポロ』('62年)を、猛烈な速度の電子音で"再生"するというコンセプトは今も、腰が抜けるほど強烈です。
会場に入って真っ先に目を捉えたのはファンにはおなじみの目玉キャラクターが描かれた幕と、ステージ左手にある巨大な白い球体です(ここに映像がうつし出されます)。メンバーは4名。左からヴォーカル担当、キーボード担当、ギター担当、そしてキーボードの後ろにはラップトップ&シンセ・ドラム担当が位置します。ヴォーカルは白と黒の全身タイツによる牛のコスプレ。頭からはツノが生えていて、はらまきもチャーミングでした。他のメンバーは巨大なくちばしをつけた鳥に扮しています。今回、彼らが取り組むのは新たなショウ"In Between Dreams"のワールド・プレミア公演。ネタバレをしない程度に書いておきますと、内容は「The Cowboy Dream」「The Train Wreck Dream」「The Ballerina Dream」の3部からなり、"七色の声"と呼びたくなるような多彩な歌声を味わうことができます。とどろくような低音、辛口のしゃがれ声、ブルース・リーの怪鳥音が乗り移ったかのような雄たけびなどが、至近距離で楽しめるのですから喜びは増すばかりです。カヴァー曲では、ジェームズ・ブラウンの有名なバラード「It's A Man's Man's Man's World」(『ジョージ&ジェームズ』には入っていません)も、独創性極まるアレンジで聴かせてくれました。
公演は23日まで行なわれます。発足から約50年を経て、ザ・レジデンツのワン&オンリーの世界には、さらに磨きがかかるばかりです。
(原田 2017 3.22)
Photo by Great The Kabukicho
2017 3.21 TUE.
1st & 2nd | |
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1. | JELLY JACK |
2. | LOSER = WEED / PICNIC IN THE JUNGLE |
3. | GOD'S MAGIC FINGER |
4. | BABY SISTER |
5. | INSTRUMENTAL |
6. | THE BLACK BEHIND |
7. | THE MAN IN THE DARK SEDAN |
8. | FROM THE PLAINS TO MEXICO |
9. | THE MONKEY MAN |
10. | TEDDY |
11. | MAN'S WORLD |
12. | TRAIN VS ELEPHANT |
13. | RUSHING LIKE A BANSHEE |
14. | SIX MORE MILES |
EC1. | INSTRUMENTAL |
EC2. | DIE! DIE! DIE! |