2017 4.7 fri., 4.8 sat., 4.9 sun.
FANTASTIC NEGRITO
artist FANTASTIC NEGRITO , マサ小浜
原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO
いきなりヘヴィーなギター・リフ、爆裂するオルガン、厚みのあるドラムスの響きが耳に飛び込んできます。そしてバンドスタンドの真ん中では、背の高いおしゃれな男が熱のこもった歌唱を繰り広げています。ブルースであり、ロックでもあり、ファンクでもあり、ゴスペル風のプリーチ(説教)もあり、何よりも強烈なグルーヴに満ちている音楽。力作アルバム『ザ・ラスト・デイズ・オブ・オークランド』がグラミー賞の最優秀コンテンポラリー・ブルース・アルバム賞に輝いた"時の人"、ファンタスティック・ネグリートが待望の初来日を果たしました。
'95年にエクセイヴィアというアーティスト・ネームでデビュー、そのサウンドは音楽記者ライアン・B・パトリックによって"プリンス・ミーツ・スライ"と形容されましたが、'99年に交通事故で重傷を負い活動を休止。2010年代に入ってからファンタスティック・ネグリートと芸名を改めて音楽活動を再開し、よりブルースに根差したサウンド作りで支持を集めています。この日のネグリートは基本的にスタンド・マイクを手に歌いましたが、「Scary Woman」ではマサ小浜、トーマス・サルセドとのトリプル・ギターで、場内をとことん盛り上げました。ピアノの美しい響きをバックに、しゃがれ気味の声と高めで張りのある声を使い分ける「About a Bird」、"いろんな悪い目に遭ったが、ここまで生き延びてきた"という前置きから始まる「Working Poor」等、入魂のナンバーの数々には引き込まれるばかりでした。メンバー紹介の最中、2人のギタリストに"君たちの国の伝統的な音楽を弾いてくれよ"と頼み、トーマスがチリの民謡(?)、小浜が演歌風の旋律をプレイして場内を和ませたのも、個人的には印象深いシーンです。
初めてネグリートの存在を知った時、ぼくは"みずから「ファンタスティック」と称するとは、どんなに自信満々な奴なんだろう"と妙な先入観を持ったものですが、CDを聴き、ライヴを見るにしたがって、"なるほど、これは「ファンタスティック」と名乗っても当然"との思いは強まるばかりです。ぜひ皆さまにも、この記念すべきファンタスティックな初来日ライヴを体験していただけると幸いです。公演は9日まで続きます。
(原田 2017 4.8)
Photo by Makoto Ebi
2017 4.7 FRI.
1st | |
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1. | PLASTIC HAMBURGERS |
2. | THE DUFFLER |
3. | THE NIGGA SONG |
4. | ABOUT A BIRD |
5. | SCARY WOMAN |
6. | RANT RUSHMORE |
7. | HUMP THROUGH THE WINTER |
8. | WORKING POOR |
9. | AN HONEST MAN |
10. | NIGHT HAS TURNED TO DAY |
11. | IN THE PINES |
EC. | LOST IN A CROWD |
2nd | |
1. | PLASTIC HAMBURGERS |
2. | THE DUFFLER |
3. | THE NIGGA SONG |
4. | ABOUT A BIRD |
5. | SCARY WOMAN |
6. | RANT RUSHMORE |
7. | HUMP THROUGH THE WINTER |
8. | WORKING POOR |
9. | AN HONEST MAN |
10. | NIGHT HAS TURNED TO DAY |
11. | IN THE PINES |
12. | IN THE SHADOWS |
EC. | LOST IN A CROWD |