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HELEN MERRILL - Farewell SAYONARA Concerts -

artist HELEN MERRILL

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原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO


プロ・デビューから約70年、名声を決定づけた『ヘレン・メリル・ウィズ・クリフォード・ブラウン』から63年、初来日から57年。

第2次大戦以後のジャズ・ヴォーカル・シーンを体現するレジェンド中のレジェンドが、ブルーノート東京で心暖まるステージを繰り広げています。この7月で満87歳を迎えるヘレン・メリルの登場です。
バックはスタインウェイ社の契約アーティストであるテッド・ローゼンタール(ピアノ)、ジム・ホールのお気に入りでもあったテリー・クラーク(ドラムス)、そしてマーク・マーフィやアニタ・オデイのサポート経験もあるショーン・スミス(ベース)。全員、歌伴の巧者です。

チャーリー・パーカーやキース・ジャレットもとりあげた「If I Should Lose You」、バド・パウエル作「Parisian Thoroughfare」をトリオで快調に仕上げたあと、盛大な拍手につつまれてヘレンが登場します。デューク・エリントン作「It Don't Mean a Thing」をサラリと歌い、「Am I Blue」へとつなぎます。ここでは4小節にわたるロング・トーンも披露。「脚の手術はしたけれど、ほかはとっても元気なの」とMCで語っていた通り、見事な"現役シンガー"ぶりを聴かせてくれました。

ピアノとのデュオ「Lover Man」も非常に美しいものでしたが。最大のクライマックスはステージ後半で訪れました。もうそろそろ"あの曲"が出る頃だなと思うと、会場に流れたのはなんと、『ヘレン・メリル・ウィズ・クリフォード・ブラウン』の中に入っていた「You'd Be So Nice To Come Home To」。これをヘレンと一緒にワン・コーラス聴いた後、目の前のヘレンがテッド、テリー、ショーンをバックにこの曲を歌い始めるという演出です。1954年のヘレンから2017年のへレンに・・・長いキャリアの持ち主だからこそサマになる離れ業です。

「さよなら、ありがとう」と日本語で言って、ヘレンはステージを去りました。彼女は先日引退を宣言、このツアーが我が国におけるラスト・ライヴになるのだそうです。公演は22日まで開催(21日はオフ)。ニューヨークで生まれ育った貴婦人の風格とエレガンスを、ぜひ味わっていただきたいと思います。
(原田 2017 4.20)


Photo by Yuka Yamaji

SET LIST

2017 4.19 WED.















































































1st
1. IF I SHOULD LOSE YOU
2. PARISIAN THOROUGHFARE
3. IT DON'T MEAN A THING(IF IT AIN'T GOT THAT SWING)
4. AM I BLUE
5. SUMMERTIME
6. AUTUMN LEAVES
7. I GOT IT BAD
8. MARGIN OF ERROR
9. PEOPLE WILL SAY WE'RE IN LOVE
10. LOVER MAN
11. BYE BYE BLACKBIRD
12. GEE BABY, AIN'T I GOOD TO YOU
13. ALL OF ME
14. YOU'D BE SO NICE TO COME HOME TO
EC. S' WONDERFUL
 
2nd
1. IF I SHOULD LOSE YOU
2. THEME FROM TCHAIKOVSKY SYMPHONY NO,5
3. IT DON'T MEAN A THING(IF IT AIN'T GOT THAT SWING)
4. AM I BLUE
5. SUMMERTIME
6. AUTUMN LEAVES
7. I GOT IT BAD
8. MARGIN OF ERROR
9. PEOPLE WILL SAY WE'RE IN LOVE
10. LOVER MAN
11. BYE BYE BLACKBIRD
13. ALL OF ME
14. YOU'D BE SO NICE TO COME HOME TO
EC. S' WONDERFUL

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