2017 4.19 wed., 4.20 thu., 4.22 sat.
HELEN MERRILL - Farewell SAYONARA Concerts -
artist HELEN MERRILL
原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO
プロ・デビューから約70年、名声を決定づけた『ヘレン・メリル・ウィズ・クリフォード・ブラウン』から63年、初来日から57年。
第2次大戦以後のジャズ・ヴォーカル・シーンを体現するレジェンド中のレジェンドが、ブルーノート東京で心暖まるステージを繰り広げています。この7月で満87歳を迎えるヘレン・メリルの登場です。
バックはスタインウェイ社の契約アーティストであるテッド・ローゼンタール(ピアノ)、ジム・ホールのお気に入りでもあったテリー・クラーク(ドラムス)、そしてマーク・マーフィやアニタ・オデイのサポート経験もあるショーン・スミス(ベース)。全員、歌伴の巧者です。
チャーリー・パーカーやキース・ジャレットもとりあげた「If I Should Lose You」、バド・パウエル作「Parisian Thoroughfare」をトリオで快調に仕上げたあと、盛大な拍手につつまれてヘレンが登場します。デューク・エリントン作「It Don't Mean a Thing」をサラリと歌い、「Am I Blue」へとつなぎます。ここでは4小節にわたるロング・トーンも披露。「脚の手術はしたけれど、ほかはとっても元気なの」とMCで語っていた通り、見事な"現役シンガー"ぶりを聴かせてくれました。
ピアノとのデュオ「Lover Man」も非常に美しいものでしたが。最大のクライマックスはステージ後半で訪れました。もうそろそろ"あの曲"が出る頃だなと思うと、会場に流れたのはなんと、『ヘレン・メリル・ウィズ・クリフォード・ブラウン』の中に入っていた「You'd Be So Nice To Come Home To」。これをヘレンと一緒にワン・コーラス聴いた後、目の前のヘレンがテッド、テリー、ショーンをバックにこの曲を歌い始めるという演出です。1954年のヘレンから2017年のへレンに・・・長いキャリアの持ち主だからこそサマになる離れ業です。
「さよなら、ありがとう」と日本語で言って、ヘレンはステージを去りました。彼女は先日引退を宣言、このツアーが我が国におけるラスト・ライヴになるのだそうです。公演は22日まで開催(21日はオフ)。ニューヨークで生まれ育った貴婦人の風格とエレガンスを、ぜひ味わっていただきたいと思います。
(原田 2017 4.20)
Photo by Yuka Yamaji
2017 4.19 WED.
1st | |
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1. | IF I SHOULD LOSE YOU |
2. | PARISIAN THOROUGHFARE |
3. | IT DON'T MEAN A THING(IF IT AIN'T GOT THAT SWING) |
4. | AM I BLUE |
5. | SUMMERTIME |
6. | AUTUMN LEAVES |
7. | I GOT IT BAD |
8. | MARGIN OF ERROR |
9. | PEOPLE WILL SAY WE'RE IN LOVE |
10. | LOVER MAN | 11. | BYE BYE BLACKBIRD | 12. | GEE BABY, AIN'T I GOOD TO YOU | 13. | ALL OF ME | 14. | YOU'D BE SO NICE TO COME HOME TO | EC. | S' WONDERFUL |
2nd | |
1. | IF I SHOULD LOSE YOU |
2. | THEME FROM TCHAIKOVSKY SYMPHONY NO,5 |
3. | IT DON'T MEAN A THING(IF IT AIN'T GOT THAT SWING) |
4. | AM I BLUE |
5. | SUMMERTIME |
6. | AUTUMN LEAVES |
7. | I GOT IT BAD |
8. | MARGIN OF ERROR |
9. | PEOPLE WILL SAY WE'RE IN LOVE |
10. | LOVER MAN | 11. | BYE BYE BLACKBIRD | 13. | ALL OF ME | 14. | YOU'D BE SO NICE TO COME HOME TO | EC. | S' WONDERFUL |