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BENNY GOLSON QUARTET

artist BASTER WILLIAMS , BENNY GOLSON

REPORT

原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO


昨年、アルバム『Horizon Ahead』と自伝『Whisper Not』を発表。ますます精力的に活動するベニー・ゴルソンが、今年も貫録のステージを繰り広げています。

1929年1月生まれですから、現在88歳。同年代の現役サックス奏者にはルー・ドナルドソン(26年生まれ)、ジミー・ヒース(同)、リー・コニッツ(27年生まれ、ことしの「東京JAZZ」で来日予定)等がいますが、毎年日本に来てくれるのはゴルソンをおいてほかにありません。

共演はマイク・レドン(ピアノ)、バスター・ウィリアムス(ベース)、カール・アレン(ドラムス)という、おなじみの面々。彼らはスティーブン・スピルバーグ監督映画「ターミナル」(2004年公開)にも、ゴルソンと共に登場していました。十何年間、一緒に演奏を続けているわけです(バスターは'80年代初頭、ゴルソンがアート・ファーマーと共に再編した"新生ジャズテット"にも加わっていました)。

曲目は前述「Horizon Ahead」、「Whisper Not」、さらにこれも大定番である「Blues March」等、珠玉のオリジナル・ナンバーを中心にしたステージ。往年のゴルソンは周到なアレンジを施すことでも知られていましたが、いまの彼はジャム・セッション的な演奏に魅力を感じているのでしょうか、どの演奏もゴルソンのテーマ吹奏&ソロ→ピアノのソロ→ベースのソロ→(たまにドラムのソロ)→後テーマというルティーンで行なわれました。ゴルソンのプレイは、アート・ブレイキー&ジャズ・メッセンジャーズの『モーニン』やウィントン・ケリーの『ケリー・ブルー』などで長いフレーズをウネウネと吹いていた'50年代に比べると、格段に音数が減り、間を生かしたものに変化しています。ドン・バイアスからの影響はそのままに、より一音一音に重みが増した、といえばいいのでしょうか。ぼくはこの"円熟"を、とても快く感じました。

演奏の間に、伝説的ジャズ・ジャイアンツとのエピソードも織り交ぜながらのステージは、オーディエンスにジャズの豊かな歴史と奥深さを再認させてくれるはずです。公演は11日まで行なわれます。
(原田 2017 5.9)


Photo by Takuo Sato

SET LIST

2017 5.8 MON.
1st
1. BEAUTIFUL LOVE
2. STABLEMATES
3. WHISPER NOT
4. I REMEMBER CLIFFORD
5. SIMPLE PLEASURE
6. TAKE THE A TRAIN
7. NOW’S THE TIME
 
2nd
1. HORIZON AHEAD
2. WHISPER NOT
3. STABLEMATES
4. MY FUNNY VALENTINE
5. CONFIRMATION
6. BLUES MARCH
7. NOW’S THE TIME

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