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STANLEY CLARKE

artist CALEB McCAMPBELL , STANLEY CLARKE

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原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO


1970年代に衝撃のデビューを果たして以来、華やかそのもののベース・プレイで第一線に立ちつづけるスタンリー・クラーク。近年は若手発掘の名人としても知られる彼が、最新ユニットを率いて公演中です。

前半はエレクトリック・ベースを用いたパフォーマンスが続きます。エッジの立った高音、コード(和音)やスラップ奏法を交えたプレイは、まさしくワン&オンリー。メロディにアドリブにと、大きな手や長い指がフレット上を踊るように動きます。サポートはルスラン・シロタ、ケレブ・マッキャンベル、マイケル・ミッチェルという気鋭揃い。ルスラン(2006年のスタンリー公演で「ブルーノート東京」初登場)はフェンダー・ローズ系の音色を多用し、ケレブはベンド(音程を上下にずらすテクニック)も用いながらシンセサイザーを弾きまくりました。ツイン・キーボードが生み出すコントラストも、このバンドの面白さのひとつです。ドラムスのマイケルはグループ最年少で今年23歳。話題の"テキサス人脈"のひとりで、幼いころからジェイソン"JT"トーマスやボビー・スパークス(先日スナーキー・パピーで来日)と交流がありました。無駄のない上半身の動き、肉眼で捉えられないほど早いスティックさばきは、まるで千手観音です。すさまじい手数による大迫力のプレイは、ライヴに接したすべてのファンに興奮をもたらすことでしょう。それでいて、抑えるところはしっかり抑えるのも、このバンドの魅力。チャールズ・ミンガスが書き、ジェフ・ベックもとりあげたバラード「Goodbye Pork Pie Hat」は、スタンリー・クラーク・バンドの"静"の一面があらわれた快演でした。

後半、スタンリーはアップライト・ベースに持ち替えます。エフェクターを使ったプレイは、カマシ・ワシントン・バンドの気鋭マイルス・モズリーにも影響を与えているのではないでしょうか。勢いよくリード・メロディを奏で、ソロ・パートでは弦を弾くことにとどまらず、胴体を叩いてパーカッションのような効果を生み出していました。オーラスでは、チック・コリア&リターン・トゥ・フォーエヴァー在籍時代のレパートリーである「No Mystery」を演奏。チックへの敬愛を強く感じさせるルスランのアコースティック・ピアノにスタンリーのベースが絡み、さらなる興奮を届けました。

公演は25日まで続きますが、スタンリー・バンドの門下生は以降も次々とブルーノート東京に姿を見せてくれます。翌26日には元メンバーのロナルド・ブルーナーJr.が自身のユニットで登場し(27日と28日はコットンクラブで公演)、7月半ばにはケレブが今度は自身中心のユニット"ザ・ファンキー・ナックルズ"で来日。Blue Note JAZZ FESTIVAL in JAPAN 2017にはカマシ・ワシントンの出演も決定しています。かつてアート・ブレイキー、デクスター・ゴードン、スタン・ゲッツなど父親のような世代に抜擢されて腕を磨いたスタンリーは、今、自らが"長"となってネクスト・ジェネレーションに刺激を与えているかのようです。
(原田 2017 5.24)

Photo by Tsuneo Koga


●RONALD BRUNER, Jr.
2017 5.26 fri.  ブルーノート東京
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2017 5.27 sat., 5.28 sun.  コットンクラブ
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●The EXP Series #12
THE FUNKY KNUCKLES
2017 7.15 sat., 7.16 sun.  ブルーノート東京
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SET LIST

2017 5.23 TUE.
1st
1. WILD DOG
2. LOPSY LU
3. GOODBYE PORK PIE HAT
4. BRAZILIAN LOVE AFFAIR
5. SONG TO JOHN
EC. NO MYSTERY
 
2nd
1. WILD DOG
2. LOPSY LU
3. GOODBYE PORK PIE HAT
4. BRAZILIAN LOVE AFFAIR
5. SONG TO JOHN
EC. MOTHERSHIP CONNECTION

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