2017 6.30 fri., 7.1 sat., 7.2 sun., 7.3 mon.
SADAO WATANABE ORCHESTRA
artist SADAO WATANABE
原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO
「世代を超えた音の語らい」という言葉が、これほどぴったり来るライヴも珍しいのではないでしょうか。渡辺貞夫がさまざまなジェネレーションの凄腕を集めて結成したオーケストラのブルーノート東京公演が始まりました。
このオーケストラの原型は、1996年に結成された"渡辺貞夫ビッグバンド"です。2014年にリスタートし、翌年アルバム『アイム・ウィズ・ユー』をリリース。この5月には『アンコール!』も発売されたばかりです。ファンにはおなじみのオリジナル曲と、外国人ミュージシャンが書いたちょっと通好みの曲が共存するプログラムは、このオーケストラならではのユニークなもの。
渡辺貞夫は入魂の吹奏を繰り広げるだけではなく、他の管楽器奏者と共にアンサンブル・パートも演奏したり、曲によっては指揮を担当するなど大活躍です。そしてバンド・メンバーのプレイも大きくフィーチャーされました。巨匠とその伴奏バンドという図式はまったくなく、「みんなで一緒にいい音楽を作っていこう」という姿勢が感じられるのも、このオーケストラのいいところです。80代から20代までが一斉に演奏する・・・これはまさしくジャズの豊かな歴史と、層の厚さを証明しています。渡辺貞夫、近藤和彦、吉田治のアルト・サックス・ソロが一晩にまとめて聴ける機会など、そうあるものではありません。また「Tokyo Dating」では計6本のサックスによるソリ(アンサンブル)がフィーチャーされ、客席をさらに沸かせました。
音楽監督を務める村田陽一は、もちろんトロンボーン奏者としても圧倒的な手腕を発揮。なかでもギル・エヴァンス、マイルス・デイヴィス、キース・ジャレット等がとりあげた名曲「Meaning of the Blues」におけるプレイは絶品でした。さらにサド・ジョーンズ作「Three in One」、渡辺貞夫が62年にバークリー音楽院に留学した頃からの友人だったというオリヴァー・ネルソン作「Anacrusis」では、とことん快調にスウィングするビッグ・バンド・モダン・ジャズを味わわせてくれました。また「Home Meeting」では、テナー・サックスの鈴木圭と、ブルーノート東京オールスター・ジャズ・オーケストラでも光り輝いていたトランペット奏者の二井田ひとみが、きらめくようなソロ交換を繰り広げました。公演は7月3日まで、連日続きます。
(原田 2017 6.30)
Photo by Takuo Sato
2017 6.30 FRI.
1st | |
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1. | KITCH |
2. | TOKYO DATING |
3. | THREE IN ONE |
4. | ANACRUSIS |
5. | MEANING OF THE BLUES |
6. | WHERE AM I |
7. | TREE TOPS |
8. | SIMPATICO |
9. | TEMBEA |
EC1. | HOME MEETING | EC2. | WATER COLORS |
2nd | |
1. | HIP WALK |
2. | KILLER JOE |
3. | MOMENT’S NOTICE |
4. | EARLY SPRING |
5. | I’M WITH YOU |
6. | EYE TOUCH |
7. | WARM DAYS AHEAD |
8. | NOT QITE A SAMBA |
9. | AIRY |
10. | EPISODE | 11. | WATER COLORS | EC1. | HOME MEETING | EC2. | 花は咲く |